那覇のB円、そしてドル時代。

みなさんはB円というものを知ってますか?

沖縄がアメリカ統治下にあった戦後の1945年から1958年まで流通していたお金で、アメリカ軍が通貨として発行した軍票がB円です。

こちらが5円。

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こちらが1円。

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Military Currency=軍票と書かれています。

 

1円は今のお札のように細長くなくて、正方形に近いかたちです。

他には、1000円、100円、20円、10円、50銭、10銭と8種類あったようです。

硬貨はなく、紙幣のみの通貨で、物価は「アンパン5円、豆腐一丁15円、沖縄そば15円」という感じだったそうです。

また、教員の月給は3000円程度だったそうです。
(http://www.payphoneone.com/bunka/sengose/ben.html)

給与の割に物価が高かったことがうかがえます。

*   *   *

その後、1958年から本土復帰する1972年までは、米ドルが使われていました。

レートも今と違って1ドル=360円と超がつく円安だったそうです。

1954年生まれの父の話。

学校(父の母校は浦添高校)へ行く時に25セント持って家を出ます。

まず、泊高橋まで歩き、同じ浦添高校生が4人くらい集まったらタクシーを止め、みんなで5セントづつ出しあって行くのが当たり前でした。

そして昼ごはんにそばを15セントで買い、残りの5セントでコーラやコーヒーを買うなどしていたと言っていました。

このことからだいたい25セントは今だと500円くらいの価値になるのではないかと予測できます。

当時の硬貨を父が保存していました。

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写真上から1ドル通称ダラー。

現在の100円玉と比べてみてください。ずっしりと大きい硬貨です。

左上のものは1881年製なので、明治半ば!ということになります。

上から2段目のものは50セント通称ハーフダラー。

下の3段は、上から25セント通称クォーター、10セント通称ダイム、5セント通称ニッケル。

一番下の5セント硬貨はバッファローニッケルと呼ばれるインディアンの横顔が入ったもので、1930年代の終わり頃まで作られていたようです。

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この写真では、左下がバッファローニッケルです。

 

バッファッローニッケルの反対側には、たしかにバッファローの絵が。

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この写真では、左下がバッファローニッケルです。

 

画像にはありませんが、1セント硬貨通称ペニーもあります。

このように、同じ金額の硬貨でも絵が違っています。

それぞれ作られた年代や由来があります。

ドル・セント硬貨を手にする機会があれば、集めてみても面白いかもしれません。

それにしても、ずいぶん古い硬貨まで那覇で流通していたんですね。

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沖縄では、今でも町なかで米ドルを使って買い物が出来ます。

サンエーなど、スーパーのレジにもその日のドルのレートが表記されています。

沖縄に来てアメリカンな雰囲気を楽しんで見るのもいいと思いますよ。

ただし、今の1ドル硬貨は画像のようにでかくはなくて、25セント硬貨とそっくりなので、間違わないように気をつけましょう。

 

文、写真:仲吉

 

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