カーミージー:浦添パルコシティ近くの小さな自然海岸

【那覇周辺360度カメラお散歩シリーズ 】Gopro Maxの360度カメラ、Thinglinkというプラットフォームを使って那覇周辺のちょっとおもしろい場所を紹介していきます。まず最初は浦添市のカーミージから。

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買い物客でにぎわう浦添パルコシティ。その目の前に広がる浦添市西海岸沿いには、うつくしいサンゴ礁の海が広がっています。
中でも特にきれいな風景が見られるのは、浦添市で唯一の天然ビーチであるカーミージーです。


カーミージーとは沖縄の方言で「カーミー」は亀、「ジー」は岩礁、瀬を意味しています。サンゴ礁の岩の形が亀の伏せたような姿にみえることから、カーミージー(亀瀬)と呼ばれています。

まずはカーミージーのバーチャルツアーをつくってみたので、360度の風景をお楽しみください。画面のタグをクリックするとその場所の360度風景が見られます。つづいて→をクリックすると、次の場面に進んでいくことができます。


カーミージーは、沖縄県民にもそれほど知られておらず、これまで穴場といわれるようなスポットでした。
しかし、現在では近くにパルコシティーができたこと、2018年に浦添八景に登録されたことから、以前よりも認知されるようになってきました。

カーミージーの名前の由来であり、ビーチのシンボルである岩は、昔から人々が大切にしてきた神聖な場所であり、かつ生活の場所でもありました。以前は岩の上に拝所が設置されていましたが、現在は浦添市が管理しており、拝所の位置は移動され、岩の上に登ることはできなくなりました。岩はパワースポットのような場所でもあるようです。

カーミージー付近の海はイノー(サンゴ礁に囲まれた浅い海)になっています。海岸付近の開発や埋め立てによってイノーが埋めてられ、浦添市ではカーミージー周辺にしか自然海岸は残っていません。そのため、とても貴重な風景となっています。

戦前のカーミージーは子供たちが遊ぶ場所であり、人々に海の恵みを与えてくれる祈りの場でした。しかし、戦後は米軍の占領下となり、カーミージーがある西海岸一帯は米軍基地施設で覆われてしまい、地元の人々から遠ざかるかたちとなってしまいました。ただし、カーミージー周辺はアクセスできたようです。
2005年に西海岸開発計画が出される中、地元の港川自治会の活動によってカーミージー周辺の重要性が見直されることになりました。
カーミージー周辺は浅く平坦な礁池があり、小さな子供でも比較的安全に自然観察を行うことができます。そこで、カーミージーが自然体験や環境学習の場として活用されるようになり、こうした活動のおかげでカーミージー付近は開発されることなく保存されることになったそうです。
一方で、貝や魚の乱獲によってカーミージー付近の生態系は変化しており、現在は生物を含めた保全活動が行われています。

【参考URL】「里浜カーミージーを保全しながら活用するための
ガイドライン」:カーミージーの海の環境保全に取り組むうらそえ里浜ネットワーク実行委員会が作成した保全のためのガイドライン。 https://www.shikatani.net/kamiji/guideline.html

カーミージー周辺での環境学習や生態系の調査についても詳しく紹介されている。https://www.shikatani.net/wp/minatogawa/teitenall/biao_zhi.html

最近、市が拝所整備を行い、コンクリート舗装したために昔のような風情がちょっとなくなってしまいました。でも、海岸部分は本来の浦添の自然の風景を満喫することができる貴重な場所です。

カーミージーは、自然海岸なので、人工的なビーチのようにビーチパーティや海水浴客でにぎわう場所ではありません。貴重な自然海岸をこれからも大切にしていきたいです。

カーミージー:
浦添市港川にある自然の岩礁。那覇空港から約10キロ。
なお、「浦添八景」とは未来に残したい浦添市の原風景として、浦添市が選定した場所のことを言う。

担当:金城、仲地(十)

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