沖縄の「天ぷら」は、そばやうどんにのせたり、大根おろしを添えて天つゆで食べるものとはちょっとちがうものです。
フリッターのように衣は厚めで、ぽってりした感じ。シーミー(清明祭)やお盆の重箱に入っていたり、仏壇に供えたりします。ソースをかけて、おかずとして食べる人も多いと思います。おやつ感覚で、中学生や高校生が学校帰りに天ぷらを買って、紙袋のまま食べている風景を見ることもあります。
南城市・奥武島の天ぷら屋さんが有名でいつも長い行列ができていますが、那覇の街の中にもおいしい店があります。
今回紹介する「てんぷらハウス天」は、首里の石畳道入口のすぐの近くにある、地元で人気の小さな天ぷら屋さんです。
福岡出身で沖縄在住40年という宇和川春利さん、沖縄出身の初子さんのご夫婦が平成17年から経営しています。
お二人は植物好きのため、店の周りは緑が多く、店の上にもまわりにも、色とりどりの亜熱帯の花が咲いています。
さて、店の一押しは、天ぷらの王道・魚の天ぷらとイカの天ぷら(各60円)。魚(バサという淡水魚だそうです)の天ぷらは、食べたときにほろっと魚の身がほぐれて柔らかい食感が絶妙です。
その他、モズクの天ぷら、ゴーヤーの輪切りの天ぷら、大きく切ったカボチャの天ぷらなどがあります(各50円)。玉ねぎとニンジンの野菜天ぷら(50円)も「カリッと揚がっていて野菜が甘く、オススメ」(小野先生談)とのことです。
てんぷらハウス天では、1日130個くらい揚げるとか。もずくなど、他ではあまり使わない食材を使っていること、普通の沖縄の天ぷらよりちょっと軽めであまり油っこく感じられないことから、とくに中高年の女性客に人気とのことです。天ぷらの価格は1個50〜60円ですから、お財布にも優しい!
天ぷら以外にも、野菜たっぷりでヘルシーなお弁当がたくさん並んでいます(350〜450円)。ごはんの上にきれいな彩りのおかず(にんじんのシリシリ、ゴーヤーチャンプルー、からし菜、魚、卵焼きなど)が並べれらたお弁当など、他の店では見ないタイプのお弁当も人気があるようです。
首里城を見た後、金城町の石畳道をゆっくり下り、最後に地元で人気の天ぷらを買って、おやつに食べるなんてコースはどうでしょう。
是非一度試してください!
てんぷらハウス天
住所:那覇市繁多川377-15(新垣菓子店首里寒川店の向かい)
電話番号:098-894-2321
営業時間:朝10時〜夕方6時
休み:日曜・祭日
文、写真:トラ