私たちが日頃食べているアーサ汁。アーサ(ヒトエグサ)はどのように私たちの食卓に来るのでしょうか? 実は、沖縄県内のアーサの6割は北中城村で生産されています。今回、北中城村の熱田漁業組合に行き、アーサ加工の現場を見学させてもらいました。
北中城村のアーサは美崎周辺の海中の網で養殖されています。収穫の時期は1月から4月頃です。 工場は、熱田漁港のすぐとなりにあります。 地元の漁師がアーサを持ち込むと、小さな網にいれ、なんと、大胆にも洗濯機で脱水されます!脱水が終わると、大きな袋に11キロずつ詰め、冷凍室で保存されます。 この日は、工場の加工場の中におじゃまさせていただきました。髪が落ちない帽子や、制服をお借りして、長靴をはき、アールコールで消毒したのち、中に入ります。 入った瞬間にものすごい磯のにおい!アーサのいいにおいでした。 中では20名ほどの女性たちが働いていました。 二つの部屋があり、一つは乾燥用のアーサ、もう一つでは冷凍用のアーサを加工する作業が行われています。 まず、大きな袋で冷凍保存していたアーサを解凍し、作業を行います。
乾燥用アーサの部屋では、アーサをかごの中に広げ、ピンセットで、なにか細かい動きをしていました。覗かせてもらうと、取ったアーサに含まれている、細かいゴミをピンセットできれいに選別する作業でした。気の遠くなるような根気のいる作業を黙々とされていました!
ゴミをとったアーサをかごにしきつめて、乾燥機の中にいれます。8時間乾燥させるそうです。そのあと、袋につめて完成です。 冷凍用アーサ加工場でも、同様にピンセットで、ゴミの選別をされていました。アーサは、仕分けされたのちすぐに、袋につめられ、冷凍保存されます。 乾燥アーサは、常温での保存が可能なので、保存食品として最適です。一般家庭でも普及しています。 冷凍アーサは飲食店で使われることが多いようです。 従来は、乾燥アーサと冷凍アーサの2種類でしたが、いまでは、様々な企業が協力し、 アーサ茶漬けやアーサふりかけなど、新たに開発された商品の種類も増えてきました。 近くのそば屋さんでは、アーサそばなども出しています。 組合のみなさんも、北中城のアーサを、北中城特産品として広めていきたいとおしゃっていました。 これらはすべて、熱田漁港の事務所で買うことができます。ライカムもいいですが、海沿いののどかな風景と地元産アーサを味わいに、北中城まで足を伸ばしてみませんか? 文、写真:山川