マンゴーで泡盛も!豊見城産の泡盛。

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豊見城にある忠孝酒造。木造の蔵に注目!

沖縄で作られている泡盛は600年の歴史がある日本最古の蒸留酒。米焼酎で、日本の焼酎の元祖といわれています。他の焼酎とは原料や製造法が異なり、泡盛独特の風味や香りがあり、「熟成させる古酒文化がある」ことが特長だそうです。

今回は、那覇空港から車で10分の場所にある忠考酒造を紹介します。豊見城の居酒屋には必ず「よっかこうじ」とか「夢航海」など、忠孝酒造の泡盛が置かれており、地元の「シマー」(泡盛のこと)として親しまれています。豊見城育ちで小学校の社会見学として酒蔵見学に訪れた・・人は多いはず。

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「シー汁浸漬法」という昔の製法を復活させた泡盛づくりの他、豊見城の名産であるマンゴーの酵母を使って作られた泡盛もあります。

忠孝酒造の大城ひとみさんの話を聞きました。

「戦争の時には、地面に埋めていた壷が空襲で破損しました。また、アメリカの統治下にあった沖縄では泡盛の生産が制限されてしまったそうです。なので今、こうした状況で生産できることは、平和の象徴と言えるでしょう。」

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忠考酒造初代創業者、大城忠考さん。昭和24年に「豊見城酒造工場」を創業。養豚業や農業もやっていた。下の写真では当時の雰囲気がわかる。

忠孝酒造は、現会長・大城繁さん(2代目)が泡盛業界初の試みとして古酒甕製作に取り組んだ事業で知られています。

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忠考酒造2代目(現会長)大城繁さん。自ら陶芸を学び、甕の製作を始めた。

土作り、成形、焼成のすべてにこだわり、一から作り上げた「忠孝南蛮荒焼甕」。それがこちらです。ドン!

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そもそも、南蛮荒焼とは何か? 南蛮荒焼は15〜16世紀に東南アジアから伝来した南蛮甕がもとであり、釉薬という薬品を使わずに焼き締められた焼き物のことです。 忠孝南蛮荒焼甕は、機械による大量生産ではなく、職人たちにより、自社の窯で、ひとつひとつ手作りで造られています。

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忠孝南蛮荒焼甕に使用されている土は、本島南部の「島尻ジャーガル」と主に山原で取れる「琉球赤土」をブレンドしているとのことです。鉄分が多く、密度が高いため、軽く叩いてみると、金属製の容器を叩いたような音が響きます。そのため、古酒を漏らす事なく貯蔵することができるそうです。

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琉球赤土。鉄分が多い。
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島尻ジャーガルの塊。灰色で粘土質。
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忠孝南蛮荒焼甕の密度を音で表現する見本。

甕を焼く際に、直火が当たった所にできる色変わりのことを「窯変」といいます。焼くときの、窯・薪・甕の状態などで、様々な模様ができ、同じ模様は二つとありません。

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忠孝南蛮荒焼甕を焼くと、左端から右端まで、こんなに縮む!

忠孝酒造では忠孝蔵・古酒お預かりシステム「THE OWNERS」があり、地下の古酒蔵で古酒として保管してくれるサービスがあります。記念日やお祝い事の記念にという方が多いそうです。申し込み日から5年間、最大20年間の延長ができるとのことです。

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THE OWNERSの地下貯蔵庫 。

以上、くぅーすの杜 忠孝蔵を紹介しました。

くぅーすの杜 忠孝蔵

住所:901-0232 沖縄県豊見城市字伊良波556-2

(豊見城・名嘉地ICから80m。バス利用の場合、ゆいレール赤嶺駅から89番糸満線に乗り、我那覇バス停から徒歩3分)

電話番号:098-851-8813

駐車場:収容台数50台(無料)

営業時間:AM9:00〜PM18:00

定休日:年中無休

http://www.chuko-awamori.com

文、写真:野口