7月11日、北谷町にあるHabuboxアカラ店をゼミ一同で訪ねた。
Habuboxは、1979年創業の沖縄発のファッションブランドである。沖縄の多彩でローカルな文化をモチーフにしたオリジナルTシャツの他、レキオシアンというブランドでかりゆしウェアも展開している。Habuboxでアートディレクターを務める名嘉太一さんにお話を伺った。
Habuboxを運営するのは、株式会社プロジェクトコア(読谷村)で、創業者は名嘉太一さんの父で版画家として知られる名嘉睦稔さん。デザインや広告などを手がける会社であるが、自分たちで企画・デザインしたオリジナル商品を売るために35年前、Habuboxブランドをつくった。名前の由来の説明はいろいろあるが、沖縄を象徴するハブ(ちょっと毒のある感じ)とビックリ箱(遊び心)のイメージという。最初はリゾートホテルなどで販売していたが、1985年に恩納村のムーンビーチホテル前に直営第1号店をオープンさせた。その後、北谷町美浜や那覇の国際通りにも店舗がオープンした。
HabuboxのオリジナルデザインのTシャツの数々。一番人気は、ゴーヤの視力検査Tシャツらしい。最高視力は5.8!(ゴーヤー)と書かれている。パイナップルバージョンもある。絵の具からジンベエザメやハイビスカスが飛び出す発泡インクの立体感のあるグラフィックのTシャツも人気。最近はオリオンビール、オキコパンなど、地元企業とのコラボTシャツもよく出ている。オリオン座とアリ!カンパーイを組み合わせたデザインは、夜になると光る!
Tシャツのパッケージは昨年からオリジナルの箱を使っている。箱には商品の絵柄の説明や、ストーリーが書かれている。在庫管理も容易になったという。
新しいことにどんどん挑戦しているHabuboxだが、「ぽろゆし」という柄の入ったポロシャツも手がけている。リゾートウェアとして観光客へも人気で、県内のビジネスマンの仕事着としても定着している。なんと糸の染め、編み、生地の生産から始め、縫製まで中国で行っているそうだ。ぽろゆしは、琉球イオンとの提携でデザインを提供し、琉球イオンとのコラボラインもある。
こちらはHabuboxが手掛けているレキオシアンのかりゆしウェア。かりゆしウェアは沖縄で縫製されているもので、工程にも厳しい基準がある。睦稔さんの版画をプリントした大胆なグラフィックのデザインで、他では見ないタイプ。
カラビサソックスは、5本指で指先がない。夏に汗をかいてサンダルがはけなかった太一さんの個人的な体験から生まれた商品で、意外に共感され、売れる商品になったという。島バナナやゴーヤー、もずくなどのモチーフをトーンで表現した微妙な色彩の編みのソックスで、サンダル履きと合わせてコーディネートするリピーターも多く、おみやげとしても人気になっている。いかに共感してもらえるかが、商品の力になる。
1985年の第1号店がオープンした時、太一さんは小学校5年生。かっこいいな、と漠然としたあこがれを持ち、高校はデザイン科に進学。卒業後は東京の専門学校で土木デザインを学んだり、内装の仕事をやったりした。20歳で帰郷、一般と同様に面接を受けて、父の経営するプロジェクトコアへ入社した。当初は、親子で仕事をする関係に戸惑いもあった様だ。その後、独立して焼き物を手がけたり、他社のブランディングにも携わった時期もあり、いろんな経験が今役立っているという。
「ローカルからグローバルにコンテンツやアイデアで勝負していかなくてはならない時代。Habuboxは沖縄のローカリティを売っている。沖縄は東京やニューヨークの真似はできないし、すべきでもない」
ビジネスの現場の話は刺激的でおもしろかった。名嘉太一さん、ありがとうございました!
HabuBoxアカラ店
〒904-0115 沖縄県中頭郡北谷町字美浜9-20
TEL:(098)936-8239
Email:akara@habubox.com
取材:ゼミ一同
写真と文:仲村、ヤンバラ〜、さっちゃん、O