キッチンカーについて調べてみた その2

実際に、県内でキッチンカーをしている方達にお話を伺ってきました

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パラダイス

北谷町桑江周辺に出店しているブラジル料理のキッチンカーです。

本格的なブラジルの味を手軽にたのしめるキッチンカー。

ブラジリアンバーガー、ブラジリアンハムを使ったサンドイッチ、ブラジル風のチキンコロッケの他、ブラジル名物のパステル(パイ生地でハム、チーズ、卵、トマト、タマネギの具を包んだもの)が売られています。価格は、250円〜700円。

小さなキッチンカーですがメニューは豊富!

店主のクリスチーナさんはブラジル出身。沖縄県内在住のブラジルの方も頻繁にくるそうでブラジル人がつくる本場の懐かしい味を楽しんでいるとのことです。

目標は沖縄の人達にブラジル料理を知ってもらうこと。それぞれの料理にあったこだわりのパンを使用しているそうで、気軽にブラジルの味を楽しめるキッチンカーです。

    

La Cafe&Bar TURNER

主に浦添市港川、浦添ドライブスクール近くで週に4〜5日営業しているカフェのキッチンカーです。

キッチンカーの色やロゴがおしゃれ!

コーヒー、ココア、ティー、Tシャツなどを販売しています。キッチンカーの外観は色もデザインもおしゃれな雰囲気!ロゴも可愛い!コーヒーは少し酸味がありスッキリしていて美味しい!価格は350円から500円です。

ペーパーカップもおしゃれ!

もともと固定店舗を開こうとされていたそうですが、新型コロナ禍の影響もあり、まずはキッチンカーでお店を定着させたいとのことでした。

     

Gussy crepe (クレープ)

那覇から名護まで広い範囲でクレープを販売しているキッチンカー。クレープの種類が豊富な人気店です。価格は350円から550円程。

人気のブリュレとチョコイチゴ。

県外出身の方がオーナーで、好きな沖縄で始めたとのことです。季節限定のメニューなど、飽きさせない工夫をしながら、SNSを使い宣伝、手頃な価格でバラエティに富んだクレープをテイクアウトできるところが魅力です。イベントなどにも力をいれているそうです。

      

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各店から聞いたキッチンカーのメリットをまとめました。

  1. 営業場所を自分で選べる。
  2. 少ない初期投資で始めることができる。
  3. 移動を頻繁にするため、飽きられない。
  4. 色んな人達と交流できる。

 一方、次のようなデメリットもありました。

  1. 天候に左右されやすい。
  2. 場所取り争いが激しい。
  3. 道具を運ぶのが大変で、材料のストックが少ないため、売り切れになりやすい。

新型コロナの影響などもあり、全国的にテイクアウトの需要が増えてきているなか、キッチンカーは若い世代が、少額の資金で起業ができるという魅力があります。新しい地域での出店など、まずは移動販売でマーケットの特性を探ってから、固定店舗に移行できるキッチンカー。

沖縄でも、新しいビジネスの形態として注目していきたいです。

   

文責,写真 嘉数

編集 O

キッチンカーについて調べてみた その1

こんにちは。
沖縄大学経法商学科専門演習小野ゼミです。
新型コロナ禍でしばらく更新をお休みしていましたが、久しぶりに情報をアップします。
2021年度のゼミは【那覇とその周辺の食】をテーマに活動しました。新型コロナ禍の合間をぬって、グループで調べたり、現地調査に行ってきました。

1回目はキッチンカーについてです。


「キッチンカー」とはざっくりいうと移動販売車のことです。中でも食品調理設備を備えた車両を(その場で調理したものを販売する移動販売車)をキッチンカーと呼びます。沖縄でもキッチンカーをよく見かけるようになりました。スーパーの駐車場とかイベント会場などでも見かけます。

 キッチンカーは増えているのでしょうか?沖縄のデータはなかったので、東京都のデータを見てみました。東京都福祉保健局の調査報告によると、移動販売車(キッチンカー)は、年々右肩上りに増加しており、平成16年〜26年の10年間で約2倍になっています。

 若い人が多く営業しているようにも見えますが、キッチンカーを開業するにはどんな手続きが必要なのか?どのくらいの費用がかかるのか?キッチンカーのメリットとデメリットは何か?について、調べてみました。

キッチンカー「Milk Bomb」の黒糖きなこ入りタピオカミルクティ

開業するためには(資格と許可)

キッチンカーで飲食業を営む場合、営業する人は「食品衛生責任者」の資格が必要となります。自治体による食品衛生責任者養成講習を受講しますが、沖縄では、8250円で取得することができます。

また、車(お店)についても、飲食営業許可が必要となります。許可証は、販売するものによって3つに分けられます。

飲食店営業

 →ランチ全般、たこ焼きなどの軽食他、料理を扱うもの。

・菓子製造業

 →たい焼き、大判焼き、スイーツ系など。

・喫茶店営業

 →ドリンクのみを扱うカフェ系。飲食とカフェを一緒に

  扱う時は、飲食営業。

どの許可も有効期限は5年とのことです。

小さなキッチンカーでも豊富なメニュー!

開業時に必要な資金

開業時に必要な資金について「小さな人気店をつくる!移動販売のはじめ方」(平山晋、同文館出版、2015年)に事例が紹介されていたので一部抜粋して紹介します。

開業時に必要な資金は、車選びや、車の外観、メニュー費用など、キッチンカー(お店)の制作時に大きく変わります。

軽ボックスまたは軽ワゴン車の購入は、中古なのか新車なのかにもよりますが、必要な費用が80〜250万円。

その他の費用は下の表のように、30〜80万円くらいかかるようです。

軽食例(たこ焼き)ランチ例(カレー)
調理するために必要な費用(道具など)10~15万20~30万円
キッチンカーをお店にする費用3~10万円(看板やメニュー表など。クオリティーによって差が出る)3~10万円(看板やメニュー表など。クオリティーによって差が出る)
営業に必要な費用1〜5万円(リーフレット・ショップカードなど)1〜5万円(リーフレット・ショップカードなど)
その他消耗品、備品1~2万円1~2万円
許可・資格・保険などに必要な費用4万円4万円
仕込み場所の取得に必要な費用なし10~30万円
合計約30-40万円約40~80万円

また、1ヶ月の運転資金は、原材料費、燃料代、出店料、移動販売車の維持費、通信費、水道光熱費などで、約40万円程度かかり、開業時には最低でも、開業資金+運転資金(最初の1ヶ月分)が必要となるとのことです。

とはいえ、固定店舗では通常1千万円程度の開業資金が必要です。キッチンカーなら300万円以内で開業でき、場所も移動できることから柔軟な営業が可能というメリットがあることがわかりました。

参考文献:小さな人気店をつくる!移動販売のはじめ方(平山晋、同文館出版、2015年)

文責:内山

写真:池原

編集:O

蛇口から県産果実!

豊崎ちゅらSUNビーチから徒歩5分の場所にある沖縄特産市場「YONAR’S」に行ってきました。

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「YONAR’S」の売りはこちら!

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「YONAR’S」の裏には工場があり、できたてのシークヮーサージュースが飲み放題なんです。

しかも、ただの飲み放題ではありません。

なんと、蛇口からジュースが出てくるのです!

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ジュースは5〜6倍に薄められ、シロップも足されているので安心して飲めます。
ただし、小さいお子さんなどには注意が必要です。

「YONAR’S」は、お店のロゴもシークヮーサー。

シークヮーサー好きな方はぜひ。

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「YONAR’S」には系列店もあります。

昨年オープンした瀬長島ウミカジテラスの最上階にある「YONAR’S Garden」。
そこでは県産牛を食べられるそうですよ!

 
YONAR’S 沖縄県 豊見城市豊崎3-84

営業時間 9:00〜18:00(年中無休 但し元日を除く)

TEL 098-850-8633

文、写真:野口

バレンタインデーはハッピー洋菓子店!

バレンタインデー前ということで、那覇市小禄にあるハッピー洋菓子店さんにお邪魔してきました。

1975年創業。

今年で創業41年となる、小禄で人気の老舗の洋菓子屋さんです。

このお店の特徴は、なんといってもリーズナブルなお値段!

他のお店と比べるととっても安いです。

1番人気のアップルパイはワンホールでなんと、700円!

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人気の理由は、あたたかい状態で提供できることです。

1日に約300個は売れている超人気商品です。

オープンから閉店までお客様が求める限り作っているようで、売り切れることはないようです。

2番目に人気の商品は一つ135円のコロネです(写真奥)。

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あまりの人気のため、1家族20個までの限定数販売。12時と4時に出しているそうです。

定番のジャーマンケーキ(1,436円)。

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バレンタインのおすすめは贅沢ショコラ(702円)!

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1975年創業!

見た目もおいしそうです。

私のおすすめはチーズスフレ(756円)。

IMG_2047ふわふわした触感でとってもおいしいケーキです。

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1日500人ぐらいのお客様が来店するそうで、いつもにぎわっています。

ケーキ屋さんは、見た目とは裏腹に肉体労働が多く、とても大変だとか。

それでも仲間やファンの方、地元のリピーターのお客様のおかげで頑張れていると販売主任の大城さん。

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スタッフは30人。高校生も働いています。

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とても明るく活気があり、 お店に入るだけで元気がもらえるような気がします。

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こちらは、12月にゼミで開いたクリスマス直前お茶会の時の様子。

スイーツはハッピー洋菓子店の定番,ジャーマンケーキのホール、コロネ3個、シュークリーム3個、プリン3個。これだけ買って2千数百円!

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「小さい頃から、誕生日といえばハッピー洋菓子店だった」とゼミのトラくん。

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小禄の人はみんな知っている・・というハッピー洋菓子店でした。

 

住所 〒901−0152 沖縄県那覇市小禄5丁目13−7 シャトレ南1階

電話番号 098−857−4781

 

文、写真:トミヤマ、O

夜に咲くドラゴンフルーツの花。

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夜中に目が覚めて、外の空気を吸いに家の庭に出たら、なんとドラゴンフルーツの花が咲いていました。

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沖縄県内で家庭でもよく栽培されているドラゴンフルーツ。

その花は、月下美人のように、夜しか咲かず、1回だけ花が開き、朝になるとしぼんでしまいます。

今回たまたま夜中に起きて見られたので、とてもラッキーな気分になりました。

ドラゴンフルーツは、花が開花した後、約40日ほどで実が成長して収穫できます。

ここでクイズです。

ドラゴンフルーツには、実が赤色と白色があります。

この2つのドラゴンフルーツ、どちらが赤色で、どちらが白色でしょうか。

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(答えは最後にあります。)

ドラゴンフルーツの味は色によって違い、赤色の方が甘いです。

私の家では赤色のドラゴンフルーツは甘みがあるのでそのまま食べます。

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白色のドラゴンフルーツは、味が薄いので野菜と混ぜてサラダにして食べています。

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クイズの答えです。
正解は、左が赤色で、右が白色です。

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見分け方は形です。

形が丸いのが赤色で、細長いのが白色です。

ドラゴンフルーツの効果には、美容効果や貧血予防、高血圧予防の他にがん予防まであるそうで、健康にも良いとのこと。

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ドラゴンフルーツは今が盛り。農産物直売所にたくさん出ていますよ。

文、写真:金城

団地前のパーラーで、パイとちんすこう。

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昨年来、3つめのパーラー。まだ身近で健在のようです。(O)

○   ○   ○

沖縄にはパーラーと呼ばれる軽食を食べさせるちょっとした飲食店があちこちにあります。

建物の形や、メニューはいろいろで、みな思い思いのスタイルで営業しています。

かき氷とか、シャーベットなどが数十円から100円くらいで食べられたり、アイスティとか、おにぎり、天ぷらなどが定番でしょうか。

今回取り上げるパーラーは、那覇市と豊見城市の境界にある「パーラー1丁目」です。

豊見城県営団地の向かい。

もっちゃんは高校生のときまでよく通っていました。

お店の中には、縦長テーブルが二つあり、大人が8人座れるくらいのスペースです。

カウンター越しに店主のおばさん(政子さん)、おじさん(正一さん)が切り盛りしてます。

笑顔が素敵です。

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パーラー1丁目は、営業開始から10年以上、地元の人たちから親しまれてきました。

手作りの手のひらサイズのパイとラードを使わないちっこいちんすこうが人気商品です。

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毎日、作っているので、出来たてです。

大阪出身の店主の政子さんは、たこ焼きが好きで、営業開始から1年間ほど、たこ焼きをメインメニューとして出していたそうです。

しかし、夏にはたこ焼きは売れないので、かき氷に切り替えたとのことでした(現在、たこ焼きは販売してません)。

その頃からパイの販売も始め、アップル、紅芋、ゴマ、かぼちゃ、田芋と、種類が豊富です(1個60円)。

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お客さんは、小学生、中学生、高校生と、その親御さんが多いそうです。

大人は、ちんすこうやパイをお土産として大人買いしたり、子供は単品でかき氷やピラフ、フランクフルト、トーストなどを注文することが多いそうです。

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忙しい時間帯は夕方。部活帰りの学生たちがやって来ます。

土曜日や休日、親が留守の時に、お金をもらってお昼ご飯を食べに来る子も。

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もっちゃん、高校卒業以来、3年ぶりにパーラー1丁目に行きましたが、お2人とも変わらずお元気でした。

子供の頃できなかった、大人買いをすることができてよかったです。笑

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このあたりはコンビニよりもパーラーが身近です。

地元らしい、親しみやすいお店ですよ。

パーラー1丁目

住所          那覇市小禄1丁目23-5

TEL           098-857-8712

営業時間  10時~19時

休日          日曜日

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文、写真:もっちゃん

那覇近郊で育つ!マンゴー&パッションフルーツ!

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この時期の沖縄といえば、マンゴー。マンゴーは、今や沖縄県を代表する熱帯果実です。

濃厚な甘さとほどよい酸味が特徴。夏場の贈答品(お中元)としても絶対的な人気を誇ります。

値段の方は高いのですが、この時期スーパーはどこもお中元用マンゴーの箱が積み上げられています。

生食用以外にも、ジュースやシャーベット、プリン、ゼリー等にも加工されています。

ところで、私のおじは糸満市照屋で、マンゴー&パッションフルーツを栽培しています。私も時々時間を作り、手伝いに行きます。

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糸満市照屋地区でマンゴー&パッションフルーツを栽培しているのはここだけ。漁業で知られる糸満ですが、農業も盛んで、主にニンジン、ジャガイモ、サトウキビなどが栽培されています。

マンゴーの木は、高さ160㎝くらいの高さに抑え、グリーンハウスの中で育てられています。

花を咲かせ、受粉させるために、マグロの内臓や頭をハウスの中に置いておきます。

これが腐敗臭を保ち、ハエを引き寄せて、マンゴーの花の受粉をさせるのです。

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5月中旬から花が咲いて受粉が始まり、実ができると、日焼けしたり、傷がつかないように、袋を被せて、実が垂れ落ちないよう枝を天井から吊るします。 収穫の時期は、7月〜8月下旬頃です。今が盛り!

おじによると、最近では、気温が高すぎて、マンゴーが日焼けし、捨てることも多いようです。それを、切る(捨てる)作業が大変だと話していました。

マンゴー以外にパッションフルーツも栽培しています。パッションフルーツは開花すると、人の手で受粉させます。

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パッションフルーツの収穫ピークはマンゴーより少し早い、6月〜7月下旬。実が下に落ちるのを待って、それを収穫するので完熟です。果実を半分に割ると多くの種を含んだ、ゼリー状の果肉と甘酸っぱい香り。

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パッションフルーツは栄養価が高く、特にカロチンが多く含まれているので、風邪の予防、目の疲れ、美容に効果があると言われています。

私のおすすめの食べ方は、パッションゼリー。市販のゼリーミックスに混ぜれば簡単。 三ツ矢サイダーにパッションフルーツの果肉、果汁を入れ飲むのも最高です。 パッションフルーツは、甘酸っぱくさっぱりしているので、海鮮のカルパッチョにしたり、料理の材料としても美味しく注目されています。

おじのハウスで収穫されたマンゴーやパッションフルーツは、ファーマーズマーケット糸満に提供しています。簡易包装や小ぶりのお手頃マンゴーもこの時期、たくさん出ていますよ。

地元産の熱帯果実をはじめ、南部の農家の自慢の野菜、果実をたっぷり食べて もらいたいと思います。

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文、写真:遠藤

金武町産の田芋スイーツ専門店、きん田。

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沖縄を代表する伝統野菜はゴーヤー・・よりも、田芋(ターウム)だと思います。お盆や清明祭などの伝統行事では必ず食べます。代表的な料理は、お正月によく出てくる田楽(りんがく、とも言います)でしょうか。ねっとりと練られてほんのり甘いきんとんのような料理です。県内では金武町が田芋の産地として有名です。

さて、今回紹介するのは、この金武町特産の田芋を使ったスイーツ専門店、「きん田」の新都心店です。

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一番人気は、濃厚なチーズと素朴な味の田芋をあわせた田芋チーズケーキ(ホール2,160円・ハーフ 1,080円・1ピース300円)。チーズと田芋が二つの層になり、繊細な田芋の味が生かされています。多い時には1日に100個売れる人気商品とのことです。

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二番人気は、きれいな切り込みの入ったタルトのような田芋パイ(ホール 1,940円、ハーフ970円・1ピース280円)。田芋パイというと、田芋の餡を生地で餃子のように包んで揚げた一口サイズのものが一般的ですが、「きん田」のパイは、ホールがおしゃれで豪華な雰囲気です。サクサクした上の生地とねっとりとした田芋のフィリングがぴったりです。

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田芋の田楽を餡にしてまんじゅうの皮で包んだ田芋まんじゅう(白・赤各 170円)もおみやげなどに人気の商品です。

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この「きん田」を経営されているのは、実は沖縄大学法経学科の豊川明佳先生とそのご家族です。豊川先生にお話を伺いました。

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「弟がシェフをつとめる田芋カフェレストラン『長楽』は2004年に金武町で開業しました。そのレストランのおみやげとして田芋のスイーツを作り始めました。そのうち、レストランのキッチンでは間に合わなくなり、金武町のメインストリートに工房を開き、小さな販売スペースも設けたのが『きん田』の始まりです」

「沖縄の人はどこかに出かけるとおみやげをたくさん買って配ります。見るだけの場所なら一度しか来てくれませんが、食べることなら何度も来てくれる。スイーツは好調で、もう1店舗つくろう、と考えた時に、空港でも国際通りでもなく、地元向けに那覇新都心に出店することにしました。」

「田芋って県外の人にはあまり知られていない。だけど、沖縄の食文化には深く根付いているから、地元の人がたくさん買ってくれるんです。芋を使うから作業もたいへんですが、直営店なので価格を抑えて出しています。」

豊川先生のお母さんの豊川あさみさんは、実は県内では有名なアントレプレナー(起業家)。親戚である金武酒造の泡盛「龍」を鍾乳洞で貯蔵して古酒にするアイデアで一躍知られるようになりました。

同じ鍾乳洞で1年以上熟成させた豆腐ようも数量限定の人気商品です(先日、藤原紀香さんがこれを使ったパスタをつくった写真をフェイスブックで「めちゃめちゃ美味しい」と紹介していました)。

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現在、豊川先生たちはスイーツだけでなく、豆腐ようをつかった新しい調味料「豆腐ようモダン」を開発中で、秋の発売を目指しているそうです。豆腐ようのパスタ!もびっくりですが、野菜や肉料理など、いろいろなレシピを考案中とのことでした。

新都心の「きん田」では、併設店の「龍の蔵」で、鍾乳洞熟成の古酒の量り売りや日本初の田芋焼酎「金の誉」を買うことができます。

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また、龍茶(お茶)や黒長寿(もろみ酢)、しょうがシロップなども並んでいます。スイーツを含め、直営店でしか買えない商品がいろいろ。

しょうがシロップ

お祝い事やおみやげに、地元ならではのオリジナル商品、いかがでしょう。

 

田芋工房 きん田 那覇新都心店

住所:沖縄県那覇市天久1-28-31

営業時間:10時30分〜19時30分

電話番号:098-963-9477

定休日:なし

 

文、写真:金城、O

首里散歩、おやつに天ぷら。

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沖縄の「天ぷら」は、そばやうどんにのせたり、大根おろしを添えて天つゆで食べるものとはちょっとちがうものです。

フリッターのように衣は厚めで、ぽってりした感じ。シーミー(清明祭)やお盆の重箱に入っていたり、仏壇に供えたりします。ソースをかけて、おかずとして食べる人も多いと思います。おやつ感覚で、中学生や高校生が学校帰りに天ぷらを買って、紙袋のまま食べている風景を見ることもあります。

南城市・奥武島の天ぷら屋さんが有名でいつも長い行列ができていますが、那覇の街の中にもおいしい店があります。

今回紹介する「てんぷらハウス天」は、首里の石畳道入口のすぐの近くにある、地元で人気の小さな天ぷら屋さんです。

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福岡出身で沖縄在住40年という宇和川春利さん、沖縄出身の初子さんのご夫婦が平成17年から経営しています。

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お二人は植物好きのため、店の周りは緑が多く、店の上にもまわりにも、色とりどりの亜熱帯の花が咲いています。

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てんぷらハウス天のブーゲンビレア。

さて、店の一押しは、天ぷらの王道・魚の天ぷらとイカの天ぷら(各60円)。魚(バサという淡水魚だそうです)の天ぷらは、食べたときにほろっと魚の身がほぐれて柔らかい食感が絶妙です。

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後ろの茶色いのがモズクの天ぷらです。少し塩味があって、香ばしくておいしい。手前が魚の天ぷらです。お話を伺った時、おみやげにいただきました。ごちそうさまでした!

その他、モズクの天ぷら、ゴーヤーの輪切りの天ぷら、大きく切ったカボチャの天ぷらなどがあります(各50円)。玉ねぎとニンジンの野菜天ぷら(50円)も「カリッと揚がっていて野菜が甘く、オススメ」(小野先生談)とのことです。

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てんぷらハウス天では、1日130個くらい揚げるとか。もずくなど、他ではあまり使わない食材を使っていること、普通の沖縄の天ぷらよりちょっと軽めであまり油っこく感じられないことから、とくに中高年の女性客に人気とのことです。天ぷらの価格は1個50〜60円ですから、お財布にも優しい!

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天ぷら以外にも、野菜たっぷりでヘルシーなお弁当がたくさん並んでいます(350〜450円)。ごはんの上にきれいな彩りのおかず(にんじんのシリシリ、ゴーヤーチャンプルー、からし菜、魚、卵焼きなど)が並べれらたお弁当など、他の店では見ないタイプのお弁当も人気があるようです。

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首里城を見た後、金城町の石畳道をゆっくり下り、最後に地元で人気の天ぷらを買って、おやつに食べるなんてコースはどうでしょう。

是非一度試してください!

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てんぷらハウス天
住所:那覇市繁多川377-15(新垣菓子店首里寒川店の向かい)
電話番号:098-894-2321
営業時間:朝10時〜夕方6時
休み:日曜・祭日

文、写真:トラ

ローカルにしてグローバル?!首里の山城まんじゅう。

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今回は、那覇おやつというテーマなので、3大まんじゅうのひとつとも言われ、首里で有名なお饅頭、「山城(やまぐすく)まんじゅう」(那覇市首里真和志1-58)に行って来た!

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山城まんじゅうは首里城の近くにある創業120年以上の老舗の饅頭店さんだ。僕が最初に行った時には、午後2時でももう完売していた。

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山城まんじゅうの本当の創業は140年〜150年らしいが、沖縄戦の時に詳細が書かれた資料も燃えてしまい、詳しくはわからないそうだ。製造販売するのは山城まんじゅう(一個120円)一種類のみ。昔ながらの製法を守り、小豆を約2時間煮込み、砂糖と水飴を加えて出来た粒あんを、小麦粉で作った皮で薄く包み、サンニン(月桃)の葉の上に敷き蒸し上げる。出来上がったまんじゅうは、サンニンの葉に包んで提供される。

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蒸し上がった山城まんじゅうは、サンニンの葉のいいに香りがして、しっとりした食感。龍潭通りの拡幅に伴い、新しくなった店舗では、以前と同様にテーブルやいすが置かれ、出来たてのまんじゅうをその場で味わうことができる。現在は、売れ行きを見ながら1日約200個を製造しているという。

「いろいろなお菓子を食べなれている子どもたちが『おいしい』といってくれてうれしい。地域の人たちに喜んでもらっているようで、励ましの言葉をいただいている」

と店を営む山城さんは言われていた。

「これからも昔ながらのやり方で伝統の味を守っていきたい。」

なお、店主は奥さんが代々やることになっているという。

首里高校の生徒や琉大が首里にあった頃は大学生もよく来ていたが、今は若い人は少なくなっているようだ。でも、那覇のお土産は山城まんじゅうがいいと決めているお客さんや、仏壇に供える為に買いに来るお客さん、昔食べた山城まんじゅうを懐かしんで買いにきてくれるお客さんも多いという。

実は、「山城まんじゅう」を勧めてくれたのは、沖縄大学の仲地学長。首里高校の生徒だった頃、よく通ったそうだ。

「1960年代前半です。1個2セントでした。5個で10セント。そばも10セントでしたが、当時のそばは具がそれほど載っていないので、今でいえば400円か500円ぐらいの感じです。それから類推すれば、山城まんじゅうは、今の貨幣価値に直すと1個80円ぐらいだったということになるでしょうか。5個の山城まんじゅうを、さんぴん茶とともに食べていました。」
店の奥にテレビのある4畳半ぐらいの畳の部屋があり、そこで座って食べていたという。隣のテーブルには女子高校生がいたりしたそうだ。

最近は、中国、台湾、韓国からのお客さんもよく来るらしく、中国語・韓国語でも食べ方が詳しく説明されていた。インターネットやガイドブックで紹介されているのかもしれない。ローカルがグローバルになりつつある!

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午後には売り切れることが多いので、早めに出かけるのがおすすめです。

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山城まんじゅう

営業時間10:30〜売り切れ次第終了

定休日:毎週月曜日、木曜日

〒903-0816 沖縄県那覇市首里真和志町1-58 TEL

(098)884-2343

取材、文:仲間