団地前のパーラーで、パイとちんすこう。

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昨年来、3つめのパーラー。まだ身近で健在のようです。(O)

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沖縄にはパーラーと呼ばれる軽食を食べさせるちょっとした飲食店があちこちにあります。

建物の形や、メニューはいろいろで、みな思い思いのスタイルで営業しています。

かき氷とか、シャーベットなどが数十円から100円くらいで食べられたり、アイスティとか、おにぎり、天ぷらなどが定番でしょうか。

今回取り上げるパーラーは、那覇市と豊見城市の境界にある「パーラー1丁目」です。

豊見城県営団地の向かい。

もっちゃんは高校生のときまでよく通っていました。

お店の中には、縦長テーブルが二つあり、大人が8人座れるくらいのスペースです。

カウンター越しに店主のおばさん(政子さん)、おじさん(正一さん)が切り盛りしてます。

笑顔が素敵です。

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パーラー1丁目は、営業開始から10年以上、地元の人たちから親しまれてきました。

手作りの手のひらサイズのパイとラードを使わないちっこいちんすこうが人気商品です。

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毎日、作っているので、出来たてです。

大阪出身の店主の政子さんは、たこ焼きが好きで、営業開始から1年間ほど、たこ焼きをメインメニューとして出していたそうです。

しかし、夏にはたこ焼きは売れないので、かき氷に切り替えたとのことでした(現在、たこ焼きは販売してません)。

その頃からパイの販売も始め、アップル、紅芋、ゴマ、かぼちゃ、田芋と、種類が豊富です(1個60円)。

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お客さんは、小学生、中学生、高校生と、その親御さんが多いそうです。

大人は、ちんすこうやパイをお土産として大人買いしたり、子供は単品でかき氷やピラフ、フランクフルト、トーストなどを注文することが多いそうです。

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忙しい時間帯は夕方。部活帰りの学生たちがやって来ます。

土曜日や休日、親が留守の時に、お金をもらってお昼ご飯を食べに来る子も。

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もっちゃん、高校卒業以来、3年ぶりにパーラー1丁目に行きましたが、お2人とも変わらずお元気でした。

子供の頃できなかった、大人買いをすることができてよかったです。笑

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このあたりはコンビニよりもパーラーが身近です。

地元らしい、親しみやすいお店ですよ。

パーラー1丁目

住所          那覇市小禄1丁目23-5

TEL           098-857-8712

営業時間  10時~19時

休日          日曜日

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文、写真:もっちゃん

パーラー徳ちゃん。港の風に吹かれて。

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沖縄のパーラーって?

パーラーといえばフルーツパーラーやパチンコ店などを想像する人が多くいると思われるけれど、沖縄では小さな売店がなぜかパーラーと呼ばれる。なぜ小さなお店がパーラーと呼ばれるのか、理由は沖縄の人でもあまり知らない。私も「沖縄で売店がパーラーと呼ばれるのはなぜ」と聞かれ、疑問に思って調べてみた。

「パーラー=parlor」は、古フランス語で話をするという言葉が語源で、もともとおしゃべりをする場所や部屋のことをさすらしい。欧米では「ビューティパーラー」「アイスクリームパ−ラー」など、ちょっとした店舗がパーラーと呼ばれるようだ。おそらく戦後のアメリカ時代に定着した言葉なのだろう。

かつての沖縄では(コンビニが登場する前)、パーラーと呼ばれる売店に作業服の人たちが集まって酒を飲みながらワイワイと楽しむ様子が見られたようだ。小さな売店や小さな食堂がまさに“パーラー=話をする場所”となっていた。

港近くで風に吹かれてそば。昔ながらの味と雰囲気。

私たちが子供の頃から慣れ親しんできたパーラーはカラフルな日除けのついた簡易売店で、だいたい学校の前にあり、沖縄そばやおにぎり、たこ焼きなどの軽食類を売っている。前にベンチやテーブルが置かれていることも多い。でも、コンビニが増えてからは、ずいぶん減ったように思う。いまや絶滅危惧種かもしれない。

昔ながらのパーラーを探して、私が幼稚園・小学生のころによく行った「パーラー徳ちゃん」に行ってみた。場所は那覇の安謝新港の近く。以前は古い中型トラックのトレーラー部分のコンテナを改装したスタイルであったが、久々に行ってみたら、ちゃんとした建物になっていた。

ソーキそば、徳ちゃんそば、三枚肉そばのどちらも並サイズで380円、大盛りサイズで480円。普通のそば屋で食べるよりもずっと安い。

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ソーキそばの並サイズを食べてみた。だし汁は塩加減が良く、コクのある味わい。ソーキはプルプルにまで柔らかくなった軟骨まで食べられ、噛む度にソーキ本来の旨みと甘みが伝わってくる。麺ものどごしが好い。

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ソーキそば、並サイズ。350円。

実は「パーラー徳ちゃん」、沖縄そばのレベルの高さはそば好きにも有名らしい。あなどるべからず、港のパーラー!食材は市場から仕入れるそうで、新鮮。スープとそばの麺は別々に分けて持ち帰りができる。お家でも「パーラー徳ちゃん」の味が楽しめる!

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「パーラー徳ちゃん」では、そばの他、チーズバーガー(200円)、ホットドッグ(190円)、サンドイッチ(190円)が食べられる。サンドイッチは卵やレタスやハムがたっぷり入って、ボリューム満点。いなりずし(180円)は、そばと一緒に食べるのが人気だからか、今回は売り切れていた。定番のポークたまごおにぎり(190円)もある。ぜんざい(250円〜。沖縄のぜんざいはかき氷に甘く煮た豆をのせたもの)、かき氷(150円〜)もパーラーの定番。インスタントのカップ麺(各種200円)も。

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港が近いせいか、朝5時から営業している。朝行くと作業服姿の人たちでにぎわっている・・かもしれない。

パーラー徳ちゃん

住所:沖縄県那覇市港町3-4-37

営業時間:5:00~

定休日:無休 電話番号:090-8357-2046

駐車場:有 席数:15

取材、文:仲村