パーラー徳ちゃん。港の風に吹かれて。

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沖縄のパーラーって?

パーラーといえばフルーツパーラーやパチンコ店などを想像する人が多くいると思われるけれど、沖縄では小さな売店がなぜかパーラーと呼ばれる。なぜ小さなお店がパーラーと呼ばれるのか、理由は沖縄の人でもあまり知らない。私も「沖縄で売店がパーラーと呼ばれるのはなぜ」と聞かれ、疑問に思って調べてみた。

「パーラー=parlor」は、古フランス語で話をするという言葉が語源で、もともとおしゃべりをする場所や部屋のことをさすらしい。欧米では「ビューティパーラー」「アイスクリームパ−ラー」など、ちょっとした店舗がパーラーと呼ばれるようだ。おそらく戦後のアメリカ時代に定着した言葉なのだろう。

かつての沖縄では(コンビニが登場する前)、パーラーと呼ばれる売店に作業服の人たちが集まって酒を飲みながらワイワイと楽しむ様子が見られたようだ。小さな売店や小さな食堂がまさに“パーラー=話をする場所”となっていた。

港近くで風に吹かれてそば。昔ながらの味と雰囲気。

私たちが子供の頃から慣れ親しんできたパーラーはカラフルな日除けのついた簡易売店で、だいたい学校の前にあり、沖縄そばやおにぎり、たこ焼きなどの軽食類を売っている。前にベンチやテーブルが置かれていることも多い。でも、コンビニが増えてからは、ずいぶん減ったように思う。いまや絶滅危惧種かもしれない。

昔ながらのパーラーを探して、私が幼稚園・小学生のころによく行った「パーラー徳ちゃん」に行ってみた。場所は那覇の安謝新港の近く。以前は古い中型トラックのトレーラー部分のコンテナを改装したスタイルであったが、久々に行ってみたら、ちゃんとした建物になっていた。

ソーキそば、徳ちゃんそば、三枚肉そばのどちらも並サイズで380円、大盛りサイズで480円。普通のそば屋で食べるよりもずっと安い。

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ソーキそばの並サイズを食べてみた。だし汁は塩加減が良く、コクのある味わい。ソーキはプルプルにまで柔らかくなった軟骨まで食べられ、噛む度にソーキ本来の旨みと甘みが伝わってくる。麺ものどごしが好い。

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ソーキそば、並サイズ。350円。

実は「パーラー徳ちゃん」、沖縄そばのレベルの高さはそば好きにも有名らしい。あなどるべからず、港のパーラー!食材は市場から仕入れるそうで、新鮮。スープとそばの麺は別々に分けて持ち帰りができる。お家でも「パーラー徳ちゃん」の味が楽しめる!

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「パーラー徳ちゃん」では、そばの他、チーズバーガー(200円)、ホットドッグ(190円)、サンドイッチ(190円)が食べられる。サンドイッチは卵やレタスやハムがたっぷり入って、ボリューム満点。いなりずし(180円)は、そばと一緒に食べるのが人気だからか、今回は売り切れていた。定番のポークたまごおにぎり(190円)もある。ぜんざい(250円〜。沖縄のぜんざいはかき氷に甘く煮た豆をのせたもの)、かき氷(150円〜)もパーラーの定番。インスタントのカップ麺(各種200円)も。

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港が近いせいか、朝5時から営業している。朝行くと作業服姿の人たちでにぎわっている・・かもしれない。

パーラー徳ちゃん

住所:沖縄県那覇市港町3-4-37

営業時間:5:00~

定休日:無休 電話番号:090-8357-2046

駐車場:有 席数:15

取材、文:仲村

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