こんにちは。
沖縄大学経法商学科専門演習小野ゼミです。
新型コロナ禍でしばらく更新をお休みしていましたが、久しぶりに情報をアップします。
2021年度のゼミは【那覇とその周辺の食】をテーマに活動しました。新型コロナ禍の合間をぬって、グループで調べたり、現地調査に行ってきました。
1回目はキッチンカーについてです。
「キッチンカー」とはざっくりいうと移動販売車のことです。中でも食品調理設備を備えた車両を(その場で調理したものを販売する移動販売車)をキッチンカーと呼びます。沖縄でもキッチンカーをよく見かけるようになりました。スーパーの駐車場とかイベント会場などでも見かけます。
キッチンカーは増えているのでしょうか?沖縄のデータはなかったので、東京都のデータを見てみました。東京都福祉保健局の調査報告によると、移動販売車(キッチンカー)は、年々右肩上りに増加しており、平成16年〜26年の10年間で約2倍になっています。
若い人が多く営業しているようにも見えますが、キッチンカーを開業するにはどんな手続きが必要なのか?どのくらいの費用がかかるのか?キッチンカーのメリットとデメリットは何か?について、調べてみました。
開業するためには(資格と許可)
キッチンカーで飲食業を営む場合、営業する人は「食品衛生責任者」の資格が必要となります。自治体による食品衛生責任者養成講習を受講しますが、沖縄では、8250円で取得することができます。
また、車(お店)についても、飲食営業許可が必要となります。許可証は、販売するものによって3つに分けられます。
・飲食店営業
→ランチ全般、たこ焼きなどの軽食他、料理を扱うもの。
・菓子製造業
→たい焼き、大判焼き、スイーツ系など。
・喫茶店営業
→ドリンクのみを扱うカフェ系。飲食とカフェを一緒に
扱う時は、飲食営業。
どの許可も有効期限は5年とのことです。
開業時に必要な資金
開業時に必要な資金について「小さな人気店をつくる!移動販売のはじめ方」(平山晋、同文館出版、2015年)に事例が紹介されていたので一部抜粋して紹介します。
開業時に必要な資金は、車選びや、車の外観、メニュー費用など、キッチンカー(お店)の制作時に大きく変わります。
軽ボックスまたは軽ワゴン車の購入は、中古なのか新車なのかにもよりますが、必要な費用が80〜250万円。
その他の費用は下の表のように、30〜80万円くらいかかるようです。
軽食例(たこ焼き) | ランチ例(カレー) | |
調理するために必要な費用(道具など) | 10~15万円 | 20~30万円 |
キッチンカーをお店にする費用 | 3~10万円(看板やメニュー表など。クオリティーによって差が出る) | 3~10万円(看板やメニュー表など。クオリティーによって差が出る) |
営業に必要な費用 | 1〜5万円(リーフレット・ショップカードなど) | 1〜5万円(リーフレット・ショップカードなど) |
その他消耗品、備品 | 1~2万円 | 1~2万円 |
許可・資格・保険などに必要な費用 | 4万円 | 4万円 |
仕込み場所の取得に必要な費用 | なし | 10~30万円 |
合計 | 約30-40万円 | 約40~80万円 |
また、1ヶ月の運転資金は、原材料費、燃料代、出店料、移動販売車の維持費、通信費、水道光熱費などで、約40万円程度かかり、開業時には最低でも、開業資金+運転資金(最初の1ヶ月分)が必要となるとのことです。
とはいえ、固定店舗では通常1千万円程度の開業資金が必要です。キッチンカーなら300万円以内で開業でき、場所も移動できることから柔軟な営業が可能というメリットがあることがわかりました。
参考文献:小さな人気店をつくる!移動販売のはじめ方(平山晋、同文館出版、2015年)
文責:内山
写真:池原
編集:O