「ポーク」と呼ばれ、沖縄県民に親しまれてきた缶詰は、豚ウデ肉を塩漬けにしたもので、もともと戦地での携帯食としてアメリカで開発されたものでした。だから、リュックに入れて携行しやすいよう、四角いかたちをしていたり、缶切りがなくても開けられたり、調理しなくてもそのまま食べられるようになっています。
沖縄県民がポークを初めて食べたのは戦後です。戦災で家畜もいなくなってしまったため、食べ物に困っていた沖縄県民は、何の抵抗もなく米軍の支給物資であるポークを口にしました。
もともと豚肉はごちそうだったのですから、おいしかったはず!
それから戦後70年経った今も沖縄県民はポークを食べ続けています。なんと、米国、イギリスに次いでポークの消費量第3位は沖縄だそうです(人口比による)。日本に輸入されるポークの9割が沖縄で消費されています。
沖縄県内にある、スーパーやコンビニなどを見ると必ずというほどたくさんの種類のポークが並べられています。何軒かスーパーを回ってみて、ポークの数を数えてみたところ、平均20種類ほどのポークが並べられていました。多いところは24種類!
沖縄に住んでいますが、これにはびっくりしました。
あと、沖縄ではポークが安い。200円前後から買えます。
家庭料理などでもよくポークが出てくるわけですが、一体どんな形で出てくるのか・・・友達や先輩に聞き、順位をつけてみました。
第3位はチャーハン。塩味が結構強いので、ご飯と相性がよく、とても美味しいですよね。
第2位はチャンプルー。沖縄の人はどんなチャンプルーでも、ポークを入れるみたいです。ゴーヤ−、豆腐、麩・・。
さて、堂々の第1位は・・ポーク卵おにぎりです。
沖縄県民は食べたことない人いないんじゃないかなと思うくらい有名です。
(他にも聞いて驚いたのは、味噌汁に入れるということでした。アーサといっしょに入れたり。どんな味なのか気になります。)
では、見事第1位に輝いたポーク卵おにぎりの調理の仕方をみなさんに教えたいと思います。一緒に作ってみましょう。
それでは早速行きたいと思います。
まず初めに材料はポーク(今回はチューリップのエコパックを使用します)のり、卵以上です。
最初、卵を割って、普通の卵焼きを作っておきます。
ポークの方はデンマーク産チューリップの「うす塩味」を使用。エコパックなので簡単に開けられます。
ポークを出したら、1センチくらいの厚さに切りましょう。
切ったポークは両面しっかり焼いておきます。
その間に海苔を半分に切ってラップの上にのせます。
ハサミを使って切らなかったので、ちょっとぎざぎざですね。
海苔の上にご飯を薄く広げる感じでのせます。
半分側に卵焼きと焼いたポークをのせて。
海苔とご飯を折りたためば・・ポーク卵おにぎりの完成です。
お好みでマヨネーズやケチャップなどをかけても美味しくいただけます。
最近では、おにぎらずという言葉が流行ってるみたいですが、ずーっと前から、沖縄県民が食べているのが、この「ポーク卵おにぎり=おにぎらず」。
時間のない朝、これを持たされて部活の朝練に向かい、途中で歩きながら食べた沖縄県民男子の思い出の味。
簡単でボリューム満点のポーク卵おにぎらず、ぜひ一度つくってみて下さい。
参考資料:嘉納英明「沖縄の食材・缶詰ポークについての聞き書き : 小学校社会科の学習材としての可能性を探る」、沖縄大学地域研究所所報20 PP. 37-40 2000年3月
文、写真:豊見山