沖縄県産アボカドについて調べてみた!

アボカドは、おいしく健康にもいいと注目され、国内需要は右肩上がりです。
近年では、「国産アボカド」も生産されるようになってきました。沖縄でも熱帯果樹の産地として、アボカドの生産に取り組む人が少しずつ出てきています。
私たちのグループでは、アボカドの基本的な情報や生態について調べ、県内で実際に栽培されている農園でお話を伺ってきました。
   


アボカドとは

Photo by Valeria Burdyka on Pexels.com


アボカドは、中央アメリカが原産のクスノキ科・ワニナシ属の樹木で、主に熱帯・亜熱帯で生育します。
野菜的果実と呼ばれ、果物でありながら野菜のように食べられています。
アボカドはギネスブックにも、世界一の栄養価の高い果物として認定されています。
アボカドは中米からメキシコ系、グアテマラ系、西インド諸島系の3つの系統に分けられます。
(参考:https://okinawan-avocado.com/2019/12/30/avocado_variety/)
 
●メキシコ系 
メキシコ―ラやメキシコ―ラグランデなどのメキシコ系の寒さに強い品種です。果実の大きさは100g前後と小ぶり。果皮の色は黒紫色、果肉の色は淡い黄色です。


●グアテマラ系
ハスやリード、ニムリオなどはグアテマラ系のアボカドです。果実の大きさは様々で、大きいものだと500gほどになります。ハスと呼ばれる品種が、私たちがスーパーなどでよく見かける小ぶりなアボカドです。果皮の皮はごつごつしており、果肉の色は黄白色です。


●西インド諸島系
西インド諸島系のアボカドは寒さに弱い品種です。カビラムラサキやカビラキイロなど、沖縄県の石垣島生まれの品種もあります。
果実の大きさは500g前後から1kgを超えるものもあります。果皮の色は緑色や赤みを帯びた緑色、果肉の色は黄色です。


   
世界での生産状況


019年の世界でのアボカドの生産量を見ると、メキシコが32%、ドミニカ共和国が9.2%、ペルー7.5%、コロンビアが7.5%と原産地に近い中南米地方の生産量が多いです。インドネシアが6.4%で5位にランクインしていることから、アジアでもアボカドの生産が行われていることがわかります。
(参考:https://urahyoji.com/crops-avocado-w/)
  
日本での生産状況


日本での2018年のアボカドの生産量は和歌山県が76.8%、愛媛県が15.8%、鹿児島県が7.4%と、この3県で国内生産量のほとんどを占めています。
(参考:https://urahyoji.com/crops-avocado/)
和歌山県や愛媛県は、ミカンの栽培がとても盛んですが、アボカドは手間暇がかからない果実であること、傾斜地での生産に適していることから、近年ミカン栽培から転換している農園があるとのことです(糸満フルーツ園けんちゃん、上原さん談)。
アボカドの国内生産量は増えているとはいえ、年間千トンが輸入されているのに対し、国産アボカドは10トン程しか出荷されていません。
        

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実際に、沖縄でアボカドを栽培されている「糸満フルーツ園けんちゃん」を現地訪問させていただき、上原賢祐さんにお話を伺いました。

アボカドの木の前で説明してくださっている上原賢祐さん。熱帯果樹系youtuberです!

上原さんは沖縄県生まれで父親の賢俊さんと共に、アボカドをはじめとする様々な熱帯果樹を栽培されています。賢祐さんは山口大学大学院に在籍されていますが、2019年に休学して沖縄に戻り、熱帯果樹の栽培を始めたそうです。現在はアボカドをはじめとする熱帯果樹や野菜の栽培、農家の日常などの情報をyoutubeで発信されています。Youtubeチャンネルの登録者数はなんと1万5千人超!アボカド栽培のノウハウ、県内外の生産者との交流や、海外の論文の情報などもわかりやすく伝える人気チャンネルとなっています。

こちらが「けんゆーの無農薬栽培チャンネル!」。チャンネル登録者は1万5千人超です!

伺ったのは2021年10月。

上原さんの農園では、現在120本のアボカドの木を栽培しており、年間300〜500個のアボカドを収穫しているそうです。その他にもバナナやアテモヤ等の熱帯果樹も栽培されています。無農薬無化学肥料の栽培で、肥料には枯葉や虫の死骸、動物の糞など、自然のものを利用。地下水脈があるため、灌水は降水のみで、水やりもしていないとのことでした。

すでに収穫は終わっていましたが、少し残っていたものを見せていただきました。

アボカドには袋がかけられているのではずして見せてもらいます。
ピンカートンという種類のアボカド。

アボカドを種から育てて実をつけさせるには10年ほどかかることもあり、時間がかかるため、上原さんはすでに実をつけたことのある木を穂木として、接ぎ木を行う手法をyoutube で詳しく紹介されています。家庭菜園でも活用できるとのことです。

継ぎ木のやり方を実際に見せていただきました。

ひとつの台木に実験的にさまざまな種類の穂木を接ぎ木している様子です。

詳しくはこちらをどうぞ!

         

アボカドの木の高さは、10m程度のものから20〜30mまで伸びるものもあります。

一度も剪定したことがないアボカドの木。

沖縄県内でのアボカド栽培はまだ少なく、本格的な経済栽培は限られているとのことです。
糸満市のほか、東村や石垣島などにアボカドを栽培されている農園があります。
アボカドは単価の高い果実であり、沖縄の気候風土にも合うため、今後新たな県産熱帯果実として伸びていく可能性があります。
アボカドがたわわになる風景。地元で採れたアボカドが食べられる地域、、、って魅力的ですよね!
沖縄の地域としての魅力を上げていく農産物のひとつとして、県産アボカドの今後に注目していきたいと思います!


上原さん、ありがとうございました!

賢祐さんの左はお父さんの賢俊さん。お二人にお話しを伺うことができ、たいへん勉強になりました!

文責:比嘉、黒澤
編集:O

那覇マグロを知っていますか?

沖縄県で最も漁獲されている魚は、実はマグロ類です。また県内のマグロ水揚げ量の約半分は那覇市で水揚げされおり、那覇の近海で水揚げされたマグロのことを「那覇マグロ」と呼んでいます。

那覇では、本マグロ(クロマグロ)、キハダマグロ、メバチマグロ、ビンナガマグロの 4 種類のマグロが水揚げされます。それぞれ旬の時期がずれていることから、那覇では年間を通して様々なマグロを食べることができます。他府県でも同じマグロ類が水揚げされていますが、大きく違うのは漁場の近さです。那覇マグロの場合、那覇近海で漁獲しているためほとんどが生で流通していますが、 他府県のマグロ類はほとんど冷凍で流通します。新鮮なマグロを年中手に入れることができるのが那覇の食の魅力。那覇マグロは、那覇の食文化にとって重要な存在です。

私たちのグループは、2021年10月、那覇市泊にある那覇地区漁協にセリの見学に行ってました。セリの見学は現在新型コロナ禍のため中止されているのですが、今回は特別の許可をいただいて、見学させていたくことになりました。

マグロのせりは朝の5時から開始です。なんと集合は朝の4時でした、、、。

並べられているマグロはこちら。迫力満点です。

セリでは、帽子の色で役割がわかるようになっています。

赤い帽子の人がセリを運営しています。

オレンジの帽子の人は魚を買う人で買い受け人と呼ばれます。セリでは登録した人しか買うことが出来ません。登録している会社は50数社とのことです。

青い帽子の人は生産者側で、生産者もしくは委託して魚をセリに出している人です。

買い受け人は手に持っている小さな黒板で、マグロ1キロ分の値段を書くのですが、赤い帽子の人は高い値段を一瞬で見分けています。同じ値段を書いている人がいたら、じゃんけんをしたり譲り合ったりするそうです。

鮮度のいいマグロの見分け方について。鮮度は見た目だけでは分からないため、マグロの尻尾の近くを切り、身が固ければ鮮度が良く、身が柔らかければ鮮度が落ちると判断されます。鮮度が落ちると値段が安くなります。

マグロ以外にも沢山の魚類が並べられていました。これらの魚はアゲセリと呼ばれるオークション式で取引されます。

セリの朝は早い。外は真っ暗です。
ミーバイ。高級魚です。
色鮮やかなイラブチャー。お寿司屋さんでこんな色の魚があるのは沖縄ならでは。
アバサー。見た目はこわい?ですが美味で知られる魚です。
手前はウツボ。煮付けなどで食べたりしますね。

那覇地区漁協の卸売市場は2022年の 10 月に泊から糸満に移転することになっています。港自体は糸満の方が大きく、県外の船も扱っているため今までよりも幅広い活動ができるようになるとのことです。

那覇地区漁協では、鮮度の良い生鮮マグロも販売しています。セリの見学はしばらくお休みですが、新鮮な魚を買うことができるので、ぜひ行ってみてください。

これで500円!

参考:那覇市経済観光部商工農水課「那覇マグロ」Webサイト

https://maguro.info

文責:新里、玉那覇、津嘉山

編集:O

写真:新里、玉那覇、津嘉山

キッチンカーについて調べてみた その2

実際に、県内でキッチンカーをしている方達にお話を伺ってきました

* * *

パラダイス

北谷町桑江周辺に出店しているブラジル料理のキッチンカーです。

本格的なブラジルの味を手軽にたのしめるキッチンカー。

ブラジリアンバーガー、ブラジリアンハムを使ったサンドイッチ、ブラジル風のチキンコロッケの他、ブラジル名物のパステル(パイ生地でハム、チーズ、卵、トマト、タマネギの具を包んだもの)が売られています。価格は、250円〜700円。

小さなキッチンカーですがメニューは豊富!

店主のクリスチーナさんはブラジル出身。沖縄県内在住のブラジルの方も頻繁にくるそうでブラジル人がつくる本場の懐かしい味を楽しんでいるとのことです。

目標は沖縄の人達にブラジル料理を知ってもらうこと。それぞれの料理にあったこだわりのパンを使用しているそうで、気軽にブラジルの味を楽しめるキッチンカーです。

    

La Cafe&Bar TURNER

主に浦添市港川、浦添ドライブスクール近くで週に4〜5日営業しているカフェのキッチンカーです。

キッチンカーの色やロゴがおしゃれ!

コーヒー、ココア、ティー、Tシャツなどを販売しています。キッチンカーの外観は色もデザインもおしゃれな雰囲気!ロゴも可愛い!コーヒーは少し酸味がありスッキリしていて美味しい!価格は350円から500円です。

ペーパーカップもおしゃれ!

もともと固定店舗を開こうとされていたそうですが、新型コロナ禍の影響もあり、まずはキッチンカーでお店を定着させたいとのことでした。

     

Gussy crepe (クレープ)

那覇から名護まで広い範囲でクレープを販売しているキッチンカー。クレープの種類が豊富な人気店です。価格は350円から550円程。

人気のブリュレとチョコイチゴ。

県外出身の方がオーナーで、好きな沖縄で始めたとのことです。季節限定のメニューなど、飽きさせない工夫をしながら、SNSを使い宣伝、手頃な価格でバラエティに富んだクレープをテイクアウトできるところが魅力です。イベントなどにも力をいれているそうです。

      

* * *

各店から聞いたキッチンカーのメリットをまとめました。

  1. 営業場所を自分で選べる。
  2. 少ない初期投資で始めることができる。
  3. 移動を頻繁にするため、飽きられない。
  4. 色んな人達と交流できる。

 一方、次のようなデメリットもありました。

  1. 天候に左右されやすい。
  2. 場所取り争いが激しい。
  3. 道具を運ぶのが大変で、材料のストックが少ないため、売り切れになりやすい。

新型コロナの影響などもあり、全国的にテイクアウトの需要が増えてきているなか、キッチンカーは若い世代が、少額の資金で起業ができるという魅力があります。新しい地域での出店など、まずは移動販売でマーケットの特性を探ってから、固定店舗に移行できるキッチンカー。

沖縄でも、新しいビジネスの形態として注目していきたいです。

   

文責,写真 嘉数

編集 O

キッチンカーについて調べてみた その1

こんにちは。
沖縄大学経法商学科専門演習小野ゼミです。
新型コロナ禍でしばらく更新をお休みしていましたが、久しぶりに情報をアップします。
2021年度のゼミは【那覇とその周辺の食】をテーマに活動しました。新型コロナ禍の合間をぬって、グループで調べたり、現地調査に行ってきました。

1回目はキッチンカーについてです。


「キッチンカー」とはざっくりいうと移動販売車のことです。中でも食品調理設備を備えた車両を(その場で調理したものを販売する移動販売車)をキッチンカーと呼びます。沖縄でもキッチンカーをよく見かけるようになりました。スーパーの駐車場とかイベント会場などでも見かけます。

 キッチンカーは増えているのでしょうか?沖縄のデータはなかったので、東京都のデータを見てみました。東京都福祉保健局の調査報告によると、移動販売車(キッチンカー)は、年々右肩上りに増加しており、平成16年〜26年の10年間で約2倍になっています。

 若い人が多く営業しているようにも見えますが、キッチンカーを開業するにはどんな手続きが必要なのか?どのくらいの費用がかかるのか?キッチンカーのメリットとデメリットは何か?について、調べてみました。

キッチンカー「Milk Bomb」の黒糖きなこ入りタピオカミルクティ

開業するためには(資格と許可)

キッチンカーで飲食業を営む場合、営業する人は「食品衛生責任者」の資格が必要となります。自治体による食品衛生責任者養成講習を受講しますが、沖縄では、8250円で取得することができます。

また、車(お店)についても、飲食営業許可が必要となります。許可証は、販売するものによって3つに分けられます。

飲食店営業

 →ランチ全般、たこ焼きなどの軽食他、料理を扱うもの。

・菓子製造業

 →たい焼き、大判焼き、スイーツ系など。

・喫茶店営業

 →ドリンクのみを扱うカフェ系。飲食とカフェを一緒に

  扱う時は、飲食営業。

どの許可も有効期限は5年とのことです。

小さなキッチンカーでも豊富なメニュー!

開業時に必要な資金

開業時に必要な資金について「小さな人気店をつくる!移動販売のはじめ方」(平山晋、同文館出版、2015年)に事例が紹介されていたので一部抜粋して紹介します。

開業時に必要な資金は、車選びや、車の外観、メニュー費用など、キッチンカー(お店)の制作時に大きく変わります。

軽ボックスまたは軽ワゴン車の購入は、中古なのか新車なのかにもよりますが、必要な費用が80〜250万円。

その他の費用は下の表のように、30〜80万円くらいかかるようです。

軽食例(たこ焼き)ランチ例(カレー)
調理するために必要な費用(道具など)10~15万20~30万円
キッチンカーをお店にする費用3~10万円(看板やメニュー表など。クオリティーによって差が出る)3~10万円(看板やメニュー表など。クオリティーによって差が出る)
営業に必要な費用1〜5万円(リーフレット・ショップカードなど)1〜5万円(リーフレット・ショップカードなど)
その他消耗品、備品1~2万円1~2万円
許可・資格・保険などに必要な費用4万円4万円
仕込み場所の取得に必要な費用なし10~30万円
合計約30-40万円約40~80万円

また、1ヶ月の運転資金は、原材料費、燃料代、出店料、移動販売車の維持費、通信費、水道光熱費などで、約40万円程度かかり、開業時には最低でも、開業資金+運転資金(最初の1ヶ月分)が必要となるとのことです。

とはいえ、固定店舗では通常1千万円程度の開業資金が必要です。キッチンカーなら300万円以内で開業でき、場所も移動できることから柔軟な営業が可能というメリットがあることがわかりました。

参考文献:小さな人気店をつくる!移動販売のはじめ方(平山晋、同文館出版、2015年)

文責:内山

写真:池原

編集:O

軽食の店ルビーでAランチ。

沖縄でAランチと言えば、洋食の定番。
那覇の老舗「軽食の店ルビー」のAランチを紹介します。

Aランチの歴史については「沖縄市市勢要覧2013」に下記の説明があります。

「・・ 1956年、沖縄市諸見里にあった「ニューヨークレストラン」のシェフが考案したといいます。米兵向けのメニューと思われがちですが、車が少ない時代、花形の職業だったタクシー運転手のためのメニューだったといいます。」

それが沖縄の各地に広がり、洋食のプレート、Aランチとして定着したとのことです。
他にBランチ、Cランチもありますが、Aランチはランクが一番上で、おかずが多いとか。

コザでは「Aランチ選手権」というのも開かれていますが、「Aランチはおかずが5種類以上」という定義もあるそうです。

*   *   *

さて、今回紹介する「食堂ルビー」は、那覇の海の玄関口、とまりんから国道58号線を北に500メートルほど行った左手にあります。
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なんと創業53年の老舗です。
オーナーが宝石のルビーが好きだからルビーにしたとか。

食券制なので、お店に入ったら先に買いましょう。

メニューはこんな感じで、なんと、40種類ほど。
平均600円くらいで安い!

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食券販売機。ロコモコ丼500円、なんていうのもあります。

ドリンクはセルフサービス。

やかんに入っているのは、沖縄の食堂定番の甘ーいアイスティです。

沖縄県民はこうした食堂で小さい頃からアイスティに親しむわけです。
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ルビーのAランチはこんな感じです。
Aランチ(800円)。

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ボリューム満点。

ウインナー、ハム、ハンバーグ、卵焼き、とんかつ、と一度にいろいろ食べれてお得!

そして、画像では伝わりにくいですが、とんかつが結構大きい!

キャンベルスープのようなポタージュスープが付いてきます。

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スープ単品だと、120円!

店長代理、松田りえ子さんにおすすめを聞いてみると、カツカレー(680円)とのこと。

なのでカツカレーを注文してみました。

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人気メニュー、カツカレー!

まず第一印象として、とろみが強い。

そしてこのとろみが強いルーによってカツのさくさく感が失われず、カレーの美味しさとカツのさくさく感をおいしく味わえる、とてもいいカツカレーとなってました。

そして、これも量が多い!

ガッツリ食べたい時などどうでしょうか?

きっと満足されると思います。

松田さんにこの店の安さの秘訣はと聞くと、おばちゃんたちが愛をこめているからと、素敵な返答をいただきました。
元気なおばちゃんたちばっかりなので、お店に行けばきっとこちらも元気をもらえると思いますよ。

写真中央の赤い服の方が、店長代理、松田さん。

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色紙を見ると、いろんな人が来店されてます。

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川満しぇんしぇ〜とか。

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野球の古田元監督とか。

 

少し昔の沖縄のレトロな雰囲気を味わえます。

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店内の様子。

 

駐車場17台完備なので、レンタカーで訪れても大丈夫!

午前1時まで営業しているところが、沖縄ならでは。

 

場所:沖縄県那覇市泊3丁目4−15
営業時間:AM10時~AM1時まで
電話番号:098-868-1721

文、写真:仲吉

 

那覇の中心地に3色の豆腐餻!

昨年、有限会社インターリンク沖縄の経営する田芋スイーツの専門店「きん田」を紹介しましたが、その時に豆腐餻(とうふよう)を使った新しい調味料を開発中というお話がありました。

その「豆腐餻モダン」がついに完成しました。

「豆腐餻を食卓へ」

 

がコンセプト。

さっそく取材に行ってきました。

場所は「きん田」の系列店である豆腐餻専門店「龍の蔵」県庁前店。
昨年11月5日にオープンしたばかりです。

お店の外観は、赤瓦屋根にシーサーが乗っていて沖縄らしい雰囲気です。

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「豆腐餻モダン」の味は、琉球・中華・西洋(一律 一個 大1500円、小1000円税込み)の 3種類。

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1番人気は、鍾乳洞の中で1年以上熟成した「琉球」です。

豆腐餻をペーストにしたオリジナルのタイプ。

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2番めの中華は、ごま油・にんにく・生姜・ねぎ・長ネギ・コチュジャン・豆板醤などで味を作った「中華」です。

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茹でた鶏肉ともやしなどと一緒にいただくと美味しいです。

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棒々鶏

3番めは、オリーブ・にんにく・アンチョビなどの味を加えた「洋風」です。

パスタやバーニャカウダなどにオススメです。

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この3種類は、ペースト状になっていて、調味料や香辛料として、料理に使うことができます。

料理の幅が広がります。

バーニャカウダ長丸皿1
バーニャカウダ

「豆腐餻モダン」は沖縄大学の豊川明佳先生の弟さんで、シェフの善規さんが香味設計されたそうです。

 
花笠型のパッケージは明佳先生のお母様が手がけたもので、笠を広げた裏のほうに番号があり、順番に折っていくと花笠が完成する仕組みになっています。

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その他、鍾乳洞で長期熟成させたお馴染みの豆腐餻もあります。

超人気商品です。

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「龍の蔵」では、地元の人たちの要望で「田芋チーズケーキ」も取り扱っています。

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そのほかに、鍾乳洞でねかせた泡盛などオリジナル商品がたくさんあります。

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最後に、お店の看板娘をご紹介。

平安山麗那さん、なんとこのお姉さんミス那覇で沖縄大学法経学科のOGです。

麗那さんに豆腐餻モダンシリーズを持ってポーズしてもらいました。

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ご協力ありがとうございました。

県庁前の便利な場所です。

ぜひ「龍の蔵」一度立ち寄ってみてください。

 
〒9000014 那覇市松尾1-9-47
龍の蔵 県庁前店
電話番号 098-861-6331
営業時間 10:00~19:00
年中無休

文、写真:野口

(料理写真提供:インターリンク沖縄)

アジア街・楊の店で、台湾家庭料理。

那覇公設市場の近くで台湾・花蓮出身の楊鳳英さんが営む台湾家庭料理の店、「アジア街楊(ヤン)の店」にゼミランチに行ってきました。

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もともと、那覇市三原で7,8年前から店を開いていたそうですが、そちらは夜中心の営業でした。

今年の8月に開南バス停に近い牧志のサンライズ通りに移転して、朝11時半から夜9時まで、昼中心にしたそうです。

楊さんいわく、一番オススメは台湾では定番料理のルーローファン(600円)。

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煮込んだ豚肉をかけたご飯で、冬瓜のスープと小鉢が付いてきます。よーく混ぜて食べるように教えてもらいました。

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人数が多かったので、いろいろ頼んでみました。

私のオススメは焼き餃子(水餃子もあるそうです)。

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定食(600円)または一品料理が注文できます。餃子はとても一個が大きくとてもジューシーで食べ応え抜群!

ビーフン炒め(600円)。

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空心菜炒め(500円)。

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沖縄ではおなじみのウンチェーバーですね。

初めて食べたピータン(あひるの卵)豆腐(400円)。

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黄身はとろっと、白身は透明のゼリーのようになっていて、ちょっと甘口のたれと合います。

茹で鶏(600円)。白ネギがのっています。

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熱々の大根餅(600円)

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デザートも行ってみました。

四種類の果物が入っているマンゴーかき氷(500円)。

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台湾からかき氷機を取り寄せたそうで、氷の粒がとても細かいのが特徴。マンゴーの他、パッションフルーツ、干しパパイヤ、干しスターフルーツをのせ、練乳をかけてピーナツをトッピング。

仙草かき氷(400円)。薬草の一種の仙草のゼリーとピーナツがのっていて、冬瓜のシロップがかけられています。

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餃子や、手作りの台湾肉粽(豚肉入りのもち米のちまき、250円)のテイクアウトもできます。

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店主の楊さんは日本在住28年、日本語が上手で気さくな方です。

実は楊さんの娘さん、沖縄大学法経学部の卒業生。先輩のお母さんでした。

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ところで、このあたりは、ちょっと迷路のようなマチグワーワールド。実は道に迷って30分以上遅刻してしまいました。

近くの店の人が「浮島通りの丸國マーケットを目印にして来るといいよ、と教えてくれました。

昔、学生服の加工をしてもらっていたようなちょっと不良なおじさんたちはみんな知ってるよ、と。

皆さんも台湾家庭料理+マチグワー散策、ぜひ行ってみてください!

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アジア街 楊の店

900-0013

那覇市牧志3-4-8

11:30~21:00(ラストオーダー20:30)

定休日:水曜日

090-1944-7572

 

文  ・写真 オクダ、O

県民食ポークで元祖おにぎらず!

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「ポーク」と呼ばれ、沖縄県民に親しまれてきた缶詰は、豚ウデ肉を塩漬けにしたもので、もともと戦地での携帯食としてアメリカで開発されたものでした。だから、リュックに入れて携行しやすいよう、四角いかたちをしていたり、缶切りがなくても開けられたり、調理しなくてもそのまま食べられるようになっています。

沖縄県民がポークを初めて食べたのは戦後です。戦災で家畜もいなくなってしまったため、食べ物に困っていた沖縄県民は、何の抵抗もなく米軍の支給物資であるポークを口にしました。

もともと豚肉はごちそうだったのですから、おいしかったはず!

それから戦後70年経った今も沖縄県民はポークを食べ続けています。なんと、米国、イギリスに次いでポークの消費量第3位は沖縄だそうです(人口比による)。日本に輸入されるポークの9割が沖縄で消費されています。

沖縄県内にある、スーパーやコンビニなどを見ると必ずというほどたくさんの種類のポークが並べられています。何軒かスーパーを回ってみて、ポークの数を数えてみたところ、平均20種類ほどのポークが並べられていました。多いところは24種類!
沖縄に住んでいますが、これにはびっくりしました。

あと、沖縄ではポークが安い。200円前後から買えます。

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家庭料理などでもよくポークが出てくるわけですが、一体どんな形で出てくるのか・・・友達や先輩に聞き、順位をつけてみました。

第3位はチャーハン。塩味が結構強いので、ご飯と相性がよく、とても美味しいですよね。

第2位はチャンプルー。沖縄の人はどんなチャンプルーでも、ポークを入れるみたいです。ゴーヤ−、豆腐、麩・・。

さて、堂々の第1位は・・ポーク卵おにぎりです。

沖縄県民は食べたことない人いないんじゃないかなと思うくらい有名です。

(他にも聞いて驚いたのは、味噌汁に入れるということでした。アーサといっしょに入れたり。どんな味なのか気になります。)

では、見事第1位に輝いたポーク卵おにぎりの調理の仕方をみなさんに教えたいと思います。一緒に作ってみましょう。

それでは早速行きたいと思います。

まず初めに材料はポーク(今回はチューリップのエコパックを使用します)のり、卵以上です。

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最初、卵を割って、普通の卵焼きを作っておきます。

ポークの方はデンマーク産チューリップの「うす塩味」を使用。エコパックなので簡単に開けられます。
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ポークを出したら、1センチくらいの厚さに切りましょう。

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切ったポークは両面しっかり焼いておきます。
その間に海苔を半分に切ってラップの上にのせます。

ハサミを使って切らなかったので、ちょっとぎざぎざですね。
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海苔の上にご飯を薄く広げる感じでのせます。

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半分側に卵焼きと焼いたポークをのせて。
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海苔とご飯を折りたためば・・ポーク卵おにぎりの完成です。
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お好みでマヨネーズやケチャップなどをかけても美味しくいただけます。

最近では、おにぎらずという言葉が流行ってるみたいですが、ずーっと前から、沖縄県民が食べているのが、この「ポーク卵おにぎり=おにぎらず」

時間のない朝、これを持たされて部活の朝練に向かい、途中で歩きながら食べた沖縄県民男子の思い出の味。

簡単でボリューム満点のポーク卵おにぎらず、ぜひ一度つくってみて下さい。

参考資料:嘉納英明「沖縄の食材・缶詰ポークについての聞き書き : 小学校社会科の学習材としての可能性を探る」、沖縄大学地域研究所所報20 PP. 37-40 2000年3月

文、写真:豊見山

港の名物、波布食堂。

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沖縄で最も有名な食堂のひとつ、那覇市通堂町にある波布(ハブ)食堂。那覇港のフェリーターミナルのそばにあります。

もともと、女性5人で近くで食堂をやっていたのですが、この場所が空いたので移ったとのことです。

最初は遊び心で4,5年続けばと思っていたそうですが、想像以上の人気店となり、現在20年目に突入。

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メニューは当初から変わっていません。20種類くらいあり、特徴は・・

全てが山盛り。

山盛りにしたきっかけは、多ければびっくりするし、食べられても食べきれなくても、ニコニコと笑顔で帰って行くからだとか。

山盛りのインパクトは絶大で、広告もブログも一切なしで、食べに来たお客さんの口コミやTwitterなどで有名になっていったそうです。

お客さんは噂を耳にした地元の人半分、外国人観光客が半分といった感じで、席はいっぱいでした。仕事中なのか、作業服姿の人も多く見られます。

外国からのお客さんは、遠くはモンゴルからも来た・・そうです。

この食堂一番人気は肉そば(650円)!

最近はチャーハン(650円)も人気!

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とにかく山盛り!

私がお勧めするのはカツ丼(650円)。量もすごいですが、とても美味しく、何回食べても飽きない味です。

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見よ、このボリューム!どんぶりからはみ出してます!

しかし、波布食堂一番の魅力はおばさんたちの元気の良さと、何より楽しそうな働きっぷりです。見ていると、こっちも楽しくなって来ます。

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皆さんの元気の秘訣を聞いてみました。

「お客さんの『美味しかった〜』『お腹いっぱいだよ〜』『ごちそうさま』などの声をきくと疲れがふっとぶさぁ〜」

と言っていました。

皆さんも、笑顔になりたい時、とにかくお腹いっぱいご飯食べたい時には、ぜひ足を運んでみましょう。

最初から、お持ち帰り用の入れ物ももらえるので、食べきる自信がなくても大丈夫ですよ!

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場所:那覇市通堂町4-22

那覇港フェリーターミナル隣

営業時間10:30〜5:00

電話番号 098-861-8343

文 、写真  オクダ

サトウキビから作られる、沖縄のもうひとつの地酒。ラム酒。

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ラム酒というのはサトウキビから作られる蒸留酒のことです。

バカルディや、ロンリコなどが有名ですが、ここ沖縄にも地元のサトウキビを使って作られるラム酒が存在するのです。

国産初のラム酒です!!

沖縄の南大東島産のラム酒・コルコルです!

種類は赤と緑の二種類。

赤のコルコルは、糖蜜を使った一般的な製法のラム酒です。

コルコル赤ラベル2
糖蜜ラム酒のコルコル。720ml入りと300ml入りがあります。

糖蜜
これが糖蜜。製糖工場で砂糖(ざらめ)を精製する際、副産物として産出されるものだそうです。

緑のコルコルはサトウキビの絞り汁をそのまま薄めて造るアグリコール製法という方法で作られています!!!

コルコルアグリコール緑ラベル1
サトウキビ絞り汁ラム酒のコルコル・アグリコール。

アグリコール製法とは?

サトウキビは刈り取った瞬間から発酵が始まるため鮮度が落ちやすい作物です。この製法のためには、農家から直接工場へ搬入し、そのまま工場で絞らなくてはなりません。

そのため、この製法を使ったラム酒は生産量全体の3パーセントしかありません。サトウキビ収穫の時期以外は生産できないためです。

さて、味の方はどうかというと、赤の方は熟成させればさせるほど、味が変わってくるので、成長が面白い酒とのことです。お酒が強いという人や、酒じょーぐー(酒好き)の方におすすめです!

緑の方は、先ほど説明したアグリコール製法という特殊な製法により、すっきりとした飲み心地で、後にほんのりと甘みが感じられます。飲みやすく、味が安定している優等生。お酒が苦手という人も比較的飲みやすく、特に女性におすすめだそうです。

◎    ◎    ◎

さて紹介が遅れましたが、今回話を聞いたのは、グレイス・ラムの代表取締役、金城祐子さんです。

金城さんは沖縄大学の卒業生!大先輩です。

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沖大キャンパスにて。

金城さんは、もともと沖縄電力の関連会社で働いていたそうです。

お酒が好きなこともあり、友人のバーを応援するため通っていた時、偶然出会ったフランス人に勧められて、沖縄産のサトウキビを使ったラム酒のベンチャーを思いついたとか。

当初、沖縄電力のベンチャー企画として創業し、いろいろな検討をした結果、南大東島に行き着いたと言われていました。

最初は農家や製糖工場の人の理解を得るのに苦労されたようです。

会社名は「グレイス・ラム」。

立ち上げ当初は酒造免許を取ったり、税務署の条件を満たすのが難しく、困難が多かったとか。

今では、南大東島の皆さんともすごく仲良くさせてもらっている!とおっしゃっていました。

コルコルのラベルも南大東島の地図を使用しているほどです!

コルコルァグリコール2
ラベルが南大東島のかたちをしています。模様のように見えるのは地形です。

現在はヘリオス酒造の子会社になっています。

グレイス・ラムでは、25度のコルコルも売っているので(普通は40度)、お菓子作りなどをする方にはこちらもおすすめです!

コルコルはホワイト・ラムで、無添加・無着色。だから、色のきれいなお菓子やカクテルにも使えます。

(写真の奥に見えるのはラム酒を使ったケーキです。こちらにも詳しく紹介されています。黒糖入りのパウンドケーキチョコレートも。)

コルコル25度1
25度のコルコルはお菓子づくりにオススメです。

わしたショップやドンキホーテ、那覇空港、最近できたライカム等で販売されています。

ぜひ皆さんも沖縄の天然の素材を活かしたコルコルを味わってみてください。

株式会社グレイス・ラム

住所:〒900-0036 沖縄県那覇市西2-20-17 大共港運(株)本社 1F

(本社・工場は南大東村字旧東39-1)

Tel:098-941-3610 Fax:098-941-3611

email:info@rum.co.jp

http://www.rum.co.jp

文、写真:赤嶺