沖縄の定番・キャンベルスープ。

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私が幼い頃、おばーちゃんがよく作ってくれたのが「キャンベルスープ」のABCスープ。ベジタブルスープで、ABCのかたちのパスタが入っている。

「キャンベルスープ」とはアメリカのキャンベル・スープ・カンパニー社が製造販売しているスープの缶詰のことだ。1891年にドーランス博士が濃縮缶スープを開発、1898年に赤と白のラベルのキャンベルスープを新発売した。ラベルの真ん中にメダルがついている缶(クリームオブマッシュルームやチキンヌードルスープ)は、1900年に開かれたパリ万博でゴールドメダルを受賞した記念というから、100年以上の歴史があることになる。よく見ると、確かにゴールドメダル付きとメダルなしの缶がある!

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日本には1950年代半ばから輸入されるようになったが、沖縄では戦後米軍が持ち込んだため、長く県民に親しまれてきた。そのため、種類の多さも値段も、県内外で全然違う。もちろん、沖縄の方が種類多くてあって安い。米国での値段とほとんど変わらないという。キャンベルジャパン社のウェブサイトには「沖縄地域限定販売」ラインアップのページがある。

沖縄県民にどの程度キャンベルスープは定着しているのか。バイト先など、身近にいる15人に3つの質問を聞いてみた!!

①キャンベルスープは家にあるのか

②好きな種類

③いつ食べるか

なっなんと!

①15人中11人が家に常備。

②好きな種類は、

一番目 クリームチキン

二番目クリームマッシュルーム

三番目チキンヌードル。

③食べる時は、朝食、時間がない日、食べたいときに。

食べ方としては、まぁ、普通にそのまま(水や牛乳で倍に薄める)召し上がる方もいれば、クリームマッシュルームにご飯をまぜてリゾット風にする人も。クリームチキンにかぼちゃをいれたりして、一工夫する食べ方もある。

私はクリームチキンスープが好きで、こんな風にシチューにしたりもします!

①材料コチラ

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②チキンを沸騰したお湯に入れて煮る。その間に材料を切る。

写真 3

③人参とジャガイモを加える。

写真 4

④人参とジャガイモが若干柔らかくなったら後の残りの材料を全て入れて煮る。

写真 5

⑤最後にクリームチキンをいれて煮込む。

写真 1

⑥完成

写真 2

みなさんもキャンベルスープを使っていろんなアレンジをしてみてください!

参考:キャンベルジャパン社ウェブサイト「キャンベルの歴史」

文、写真:ゆーり

伝統の味。首里餅菓子屋。

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行事やお盆の時には行列ができる人気店。

 創業63年の歴史を持つ首里餅菓子屋の代表者で2代目の西原清次郎さんにお会いしてお話を聞かせていただいた。

 西原さんは、母・秋さんが亡くなった後、店を継承された。

「それまで銀行に40年間おりましたよ」

とのこと。ご両親には銀行に勤めてからも、家業を継いでくれるように懇願されていたそうだ。ご両親は常日頃から餅を作ることに大変喜びを感じておられ、

「おいしい餅を多くの人々に食べていただき、沖縄の行事を楽しく、喜んで、ご先祖様を敬い、大事に継承して欲しい」

という気持ちを聞かされていた。西原さんもその気持を汲んで、店を引継がれたようだ。

 西原さんのモットーは

「安く、おいしく、楽しく、喜んで沖縄の行事をサポートすること」

と、微笑んでおられた。

 お餅も、ご両親は当初白いお餅一種類でスタートしたが、その後、

「母の研究の積み重ねで、黒糖餅、菱餅、ナットウみそ餅等、そして人気No1のヨモギ餅も開発されたのです」

とのこと。亡き母に敬意を抱かれたそうだ。

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2代目の西原清次郎さん。

 現在、商品の種類は多い。1月は鏡餅、ナットウみそ餅、3月はひな祭りで菱餅、桜餅、4月は入学祝、合格祝い等で紅白のお餅、9月は十五夜のお月見でフチャギ餅、12月はカーサ餅(鬼餅)が並ぶ。お休みはお正月とお盆にあるが、注文が入ればお店は閉めていても工場で作っていることもある。朝の3時から親族等10名で仕込みが始まり、7時には店に出す。

 お餅は生き物で、気温や、寒さ、暑さにも敏感で、水かげんや、練り具会いにも微妙な調整が必要だと言う。機械のみでできる業ではないことがうなずける。

 それ故か、とても美味しい。耳たぶのような柔らかさで、小豆餡のほどよい甘さ加減、ヨモギ餅やカーサ餅(月桃の葉で包んだ餅)の独特の香りを楽しみながら食べてみてほしい。店頭に常時並んでいるのは、白餅、ヨモギ餅、黒糖餅、ピンク餅で、どれも1個90円(税込)。その他、お線香、白紙、蝋燭、打紙(ご先祖様の紙のお金)、法事や祝事用の重箱、盛菓子、折弁当等は他の業者さんと提携し、お客様の要望に備えているそうだ。拝みの仕方の本も置かれていた。

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拝みの際にそなえられる3段の「ウチャヌク餅」。

 西原さんは、1男3女の父。経理を担当する奥様の淳子さんは、縁の下の力持ちです、と言われていた。ご長男は修行中。親族で両親の残したものを守り、沖縄文化を支援するために頑張ります、と接客しながら話されていた。

 頑張っている皆さんのご健康とご繁栄を心から祈りたい。

本店、工場:浦添市前田1336-3、電話 098-876-0891

儀保店:那覇市首里儀保町1-27-3 電話 098-884-0891

栄町店:那覇市安里388(栄町市場内)電話 098-886-3630

翁長商店:那覇市場の水上店舗 電話 098-868-7353

取材、文:さっちゃん

沖縄最強の駄菓子・サンティー

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「ホットでもアイスでもO.K.」と書かれているが・・?

サンティーとは何か?

沖縄県民が子供の頃から親しんできた飲み物といえば、駄菓子屋やスーパー、コンビニなどでも販売されている、赤玉食品の「ミッキーレモンティー」だろう。赤玉食品という会社は、那覇市泊にある地元企業だ。県産品なのである。

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新製品?

「ミッキーレモンティー」という商品名を聞いてピン!と来る人は少ないかもしれない。「ミッキーレモンティー」は地域によって呼び名が異なるからだ。私の住んでいる嘉手納町では「サンティー」と呼ばれている。30円で買えるレモンティーだからか。「サンティー」の他、「サンチュー」「ミッキー」「レモンティー」と、たくさんの呼び方がある事がわかった。

小学生の頃によく飲んでいたこのチューブ入りの甘い飲み物。ひとつ30円で180ミリリットル。なかなかの量である。最近は懐かしく久々に飲んでみたいと思ったりする。

サンティーは様々なかたちで売られている。

冷やして飲み物として。

冷凍してアイスとして。

常温でそのまま、というのもある。うちで冷やすか凍らせて食べるのか。

沖縄県内では駄菓子屋だけでなく、コンビニで販売されているのを見かけることがある。沖縄県民に長く愛されている商品だ。

沖縄県民はレモンティー好き。

アメリカ時代の名残りなのか、沖縄の食堂に行くと、お冷のかわりに薄くて甘いレモンティーやアイスティーを出す店舗が多い。スーパーやコンビニのレモンティー(紙パックやペットボトル)も人気商品だ。小さな頃からレモンティーが食事の一部としてなっている。今やレモンティーは、沖縄の食文化の一部になっているのではないかと感じる。

レモンティー好きの県民が、小さなころから親しむのがこのチューブ入りのサンティーであり、沖縄最強の駄菓子なのである。

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30円で楽しめる「コーラ味」も。最近はシークワーサー味も出ている。

 

取材、文:マックスもっとぅー

 

今も変わらぬ老舗の味。千日のぜんざい。

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沖縄の「ぜんざい」は、かき氷の下に甘く煮た金時豆が入っているというもので、他県のぜんざいとは別物である。高校の隣にパーラーがあって、ラグビー部の練習の帰りによく友達とたむろして、僕はミルクぜんざいを食べていた。

今回、僕が訪れたのは、沖縄ぜんざいの「千日」。千日は創業六十年、いわば沖縄ぜんざいの老舗である。
ぜんざいを口にいれた瞬間に広がるふわふわの氷と甘い金時がおりなす美味しさ。ここ千日のぜんざいの味は、県内外や世代問わずみんなから愛され続ける味だ。

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ミルク金時450円。

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いちごミルク氷450円。いちごミルク金時500円。

「千日のお客さんの中には、親子三代にわたってくれるお客さんもいるんですよー」
こう笑顔で話してくれたのは先代・金城新五郎の三女、小坂れい子さんだ。
創業者の新五郎さんは、とても研究熱心な方で、長年変わることなくみんなから愛されているぜんざいのレシピを考えた。
そんな新五郎さんの熱意が分かるエピソードも聞くことができた。新五郎さんは、沖縄で最初にたい焼きを売り出した方でもあった。あの「泳げたい焼き君」の歌が発売されて大ヒットする40日前に販売を開始した。たい焼きはお客さんに整理券を配るほど、売れに売れたという。
そして、そんな先代の作ったレシピだからこそ、創業当時の味を変えることなく受け継がれているのではないかと思う。
「ここを一度訪れた人は、何十年たっても変わらない味を食べることができる」
と小坂さんは話してくれた。

千日のぜんざいの特徴は、固めの氷と常に刃を研ぐことで生まれるふわふわの氷。氷の下にある甘い金時との絶妙なバランスが、最高に美味しい。

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この機械で削る。

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刃がよく手入れされていてふわふわの氷に。

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最後にコンデンスミルクをかけて。

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この高さ!

千日は、お店の内装もシンプルでとても落ち着く雰囲気になっている。僕が気になったのは、クーラーではなくあえて扇風機を使用しているところだった。

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理由を小坂さんに聞いてみた。
「クーラーにしていると、新しく入ってくるお客さんはいいかもしれないけど、ぜんざいを食べていくと逆に体が冷えすぎてしまう」
と教えてくれた。
こんなところも長年お客さんに愛されている理由の一つなのかもしれない。

メニュー

この夏は、千日の美味しいぜんざいを食べながら、暑い夏を涼しく快適に過ごそう!

千日
住所:沖縄県那覇市久米1-7-14
電話:098-868-5387
営業時間:11:30~19:00(夏期は20:00まで)
定休日:月曜日

取材、文:シーサー星人

パーラー三角。やんばる遠出編。

看板

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「ここってフルーツが食べれる場所じゃないんですか?」 観光客の人がパーラーのおばちゃんに向かってこんなことを言っていた。

気になったので聞いてみた。県外ではパーラーってどんなところ?

「パーラーって言ったらやっぱり資生堂とか、フルーツが食べられるところとか、パチンコだと思っていたけど、沖縄のパーラーはカフェと食堂の間って感じがした。道の側にある海の家って感じだね(笑)」

と話してくれた。

やはり県外と沖縄ではギャップがあるようだ。

沖縄の人にはパーラーは軽食屋のイメージが強く、県外にあるパーラーとは全然違った。

中部から北部にかけてパーラーを探してドライブをしていたらどんなに探しても全然見つからず、以前パーラーだった場所も閉まっていたり、こじゃれたカフェになっていた。

沖縄ではもうパーラーという言葉が死語になっているのではないのかと思うほど見つからなかった。

探し疲れて、昔からよく行くパーラーに行ってみた。

幼い子供からおじぃおばぁまで幅広い世代に愛されている「パーラー三角」は、やんばるの国頭村字桃原にある。店名の由来は三角形の形で海に突き出している土地にあるからとのこと。オーナーの島袋さんが昭和62年から始めて現在27年になる。もはや老舗のパーラーである。

島袋さんは

「みんなに愛されるお店にしたいさ〜。だから出来るだけ安くしてるわけさ〜」

と言っていた。

僕の一番のおすすめは「チキンバーガー」。

このボリュームで300円という安さ。

パンからチキンカツが大きくはみ出している元気のよさ。作り置きではなく、注文後に作り始める。だから、熱々だろうなとわかっているのに、つい大きくかじりついてやっぱりアチーッとなる。

チキンバーガー 編集

次におすすめは「とりかわ」、250円。

皿にたくさんのった鶏皮は味付けが濃い一品。

写真は食べ始めてからあわてて撮ったので、少し減っている。

とりかわ

新メニューである「ロコモコ」。

これで400円というのも驚きだ。

ロコモコは息子さんがサーフィンをしていてハワイに行った時に覚えた本場の味という。本格的なハワイのロコな味が楽しめますよ♪

ロコモコ編集

お店の後ろにはゆっくり食べられるスペースがあり、風通しがよく、くつろげる空間となっている。

お店の前のサトウキビ畑を抜けると、とても綺麗な海がある。そこで食べるのがお勧めだ。 やんばるまで来たら是非寄ってみては?

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パーラー三角

住所: 〒905-1417 沖縄県国頭郡国頭村桃原23

Open11:00〜

定休日は特になし

取材、文:ヤンバラ〜

パーラー徳ちゃん。港の風に吹かれて。

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沖縄のパーラーって?

パーラーといえばフルーツパーラーやパチンコ店などを想像する人が多くいると思われるけれど、沖縄では小さな売店がなぜかパーラーと呼ばれる。なぜ小さなお店がパーラーと呼ばれるのか、理由は沖縄の人でもあまり知らない。私も「沖縄で売店がパーラーと呼ばれるのはなぜ」と聞かれ、疑問に思って調べてみた。

「パーラー=parlor」は、古フランス語で話をするという言葉が語源で、もともとおしゃべりをする場所や部屋のことをさすらしい。欧米では「ビューティパーラー」「アイスクリームパ−ラー」など、ちょっとした店舗がパーラーと呼ばれるようだ。おそらく戦後のアメリカ時代に定着した言葉なのだろう。

かつての沖縄では(コンビニが登場する前)、パーラーと呼ばれる売店に作業服の人たちが集まって酒を飲みながらワイワイと楽しむ様子が見られたようだ。小さな売店や小さな食堂がまさに“パーラー=話をする場所”となっていた。

港近くで風に吹かれてそば。昔ながらの味と雰囲気。

私たちが子供の頃から慣れ親しんできたパーラーはカラフルな日除けのついた簡易売店で、だいたい学校の前にあり、沖縄そばやおにぎり、たこ焼きなどの軽食類を売っている。前にベンチやテーブルが置かれていることも多い。でも、コンビニが増えてからは、ずいぶん減ったように思う。いまや絶滅危惧種かもしれない。

昔ながらのパーラーを探して、私が幼稚園・小学生のころによく行った「パーラー徳ちゃん」に行ってみた。場所は那覇の安謝新港の近く。以前は古い中型トラックのトレーラー部分のコンテナを改装したスタイルであったが、久々に行ってみたら、ちゃんとした建物になっていた。

ソーキそば、徳ちゃんそば、三枚肉そばのどちらも並サイズで380円、大盛りサイズで480円。普通のそば屋で食べるよりもずっと安い。

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ソーキそばの並サイズを食べてみた。だし汁は塩加減が良く、コクのある味わい。ソーキはプルプルにまで柔らかくなった軟骨まで食べられ、噛む度にソーキ本来の旨みと甘みが伝わってくる。麺ものどごしが好い。

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ソーキそば、並サイズ。350円。

実は「パーラー徳ちゃん」、沖縄そばのレベルの高さはそば好きにも有名らしい。あなどるべからず、港のパーラー!食材は市場から仕入れるそうで、新鮮。スープとそばの麺は別々に分けて持ち帰りができる。お家でも「パーラー徳ちゃん」の味が楽しめる!

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「パーラー徳ちゃん」では、そばの他、チーズバーガー(200円)、ホットドッグ(190円)、サンドイッチ(190円)が食べられる。サンドイッチは卵やレタスやハムがたっぷり入って、ボリューム満点。いなりずし(180円)は、そばと一緒に食べるのが人気だからか、今回は売り切れていた。定番のポークたまごおにぎり(190円)もある。ぜんざい(250円〜。沖縄のぜんざいはかき氷に甘く煮た豆をのせたもの)、かき氷(150円〜)もパーラーの定番。インスタントのカップ麺(各種200円)も。

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港が近いせいか、朝5時から営業している。朝行くと作業服姿の人たちでにぎわっている・・かもしれない。

パーラー徳ちゃん

住所:沖縄県那覇市港町3-4-37

営業時間:5:00~

定休日:無休 電話番号:090-8357-2046

駐車場:有 席数:15

取材、文:仲村